S字甕 ― 2025年06月06日 00:06
S字甕(えすじかめ)は2世紀前半に伊勢湾沿岸部で出現した土器で、九州北部から東日本まで広がる代表的な土師器である。
概要
正式名をS字状口縁台付甕という。口縁が短く「S字状」に屈曲し、器壁が薄く、軽量である。デザインが規格化されている。2世紀から3世紀初頭では、三重県、愛知県、岐阜県などの伊勢湾沿岸部のみに見られる。3世紀中頃になると全国的に広がる。東日本の一部地域では在地で作られるようになり、「上野形S字甕」「駿河型S字甕」などが生み出される。 S字甕の胎土には混和剤として砂礫が多く含まれる。混和剤の砂は角閃石、石榴石、黒雲母など濃尾平野では取れないものを使う。有力な材料供給候補地として三重県の雲出川が挙げられている。
分類
S字甕は、(1)0ぜろ類・(2)A類(2世紀)、(3)B類、(4)C類(3世紀)、(5)D類(4世紀)、(6)宇田型甕(5から6世紀前葉)の6つに分類される。
出土例
- S字甕 - 朝日遺跡、愛知県清須市、弥生時代
- S字甕 - 南部Ⅰ遺跡、富山県富山市、弥生後期から古墳前期
- S字甕 - 博多遺跡群、福岡県福岡市、弥生時代、古墳時代
- S字甕 - 井田遺跡、三重県、弥生終末期
参考文献
- 朝日遺跡ミュージアム(2024)『「S字甕」というとても薄い甕が流行っていた件』
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