近野遺跡 ― 2025年06月18日 07:33
近野遺跡(ちかのいせき)は青森県青森市にある縄文時代の遺跡である。
概要
近野遺跡は青森市西部の丘陵地の北東、浪館段丘(青森市浪館付近の段丘)上に位置する。付近には遺跡が多く、安田近野遺跡、細越館遺跡、浪館遺跡、三内丸山遺跡などがあり、三内丸山遺跡の東南500mに位置している。近野遺跡では遺構内から石器18点、遺構外223点、計241点が出土している。石皿は4点が出土する。大珠と呼ばれる5cm以上のヒスイの玉と鰹節形のヒスイが出土した。
石冠
出土した人物線刻のある石冠に3体の人物が描かれていることから世に知られた。石冠は長方形で断面は三角形である。 人物の頭は3mmほどの窪みで表現され、体は幅1.5mmの線で表現される。手と足が描かれるが、木の枝のように描かれている。竪穴建物跡もみつかっているが、数は多くない。縄文時代の絵画資料は数が少ないため、貴重である。
調査
遺構
- 竪穴建物1
- 土坑1+13+93
- 土器埋設1+1
- 土器集積2
- 竪穴建物25
- 掘立柱建物10
遺物
- 剥片石器
- 礫石器
- 土製品(円盤状土製品ほか)
- 人物線刻石冠
- 縄文土器
- 礫石器
- 土製品(土偶+ミニチュア土器+土器片円盤+土器片錘+クルミ形付土製品+その他)
- 石製品(有孔石製品+石冠+石剣+石棒)
- 土偶
- ヒスイ原石
- 植物遺存体(種子(トチノキ+クルミ+ウルシ)
- 土師器
- 須恵器
- 土製品(土鈴、土玉、球状紐状)
- 製塩土器
- 焼成粘土塊
- 支脚
- 鉄関連(羽口炉壁、鉄滓鉄製品)
考察
展示
指定
所在地等
- 名称: 近野遺跡
- 所在地:青森県青森市大字安田字近野219
- 交通:
参考文献
- 青森市教育委員会(2002)「近野遺跡発掘調査報告書」
- 青森市教育委員会(2002)「近野遺跡 Ⅳ」青森県埋蔵文化財調査報告書第315 集
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