西弥護免遺跡 ― 2025年08月10日 00:07
西弥護免遺跡(にしやこめん いせき)は環壕集落と墳墓からなる弥生時代後期の遺跡である。
概要
阿蘇山外輪山の標高160mの台地にある遺跡である。環壕集落と墳墓が検出された。集落は楕円形の環壕に囲まれ、墓地はその外側にある。環濠の総延長は1km以上ある。弥生小型倭製鏡(内行花文鏡、銘文なし、完形8.6cm、1979年発掘)が出土した。総数580点以上の多数の鉄器が出土した。墓地は土坑墓と木棺墓であった。
発掘調査
出土鉄器の分析が行われ、低As、高Sbであったとする。新井宏(2014)は弥生時代の西弥護免遺跡の鉄遺物にはVとCd を多く含むが、韓国には見当たらないとする。西弥護免遺73号住居跡では,298点の鉄器および鉄片が出上した。放射化分析の結果、この鉄器は高As・低Sbのグループに属する鉄で,しかもかなり低いところに位置していると指摘された。出土鉄鏃(30号住居)は鉄鉱石を原料として製錬された鉄素材を鍛造して製作された鉄嫉と推測された。刀子(80号住居)は茎と環頭部の接続部分に鍛接痕が認められる。つまり茎と刃部を形づくったのちに、環頭部を鍛造している。すなわち環頭刀子が鍛冶生産されていることが示された。
遺構
- 環溝集落
- 甕棺
遺物
- 弥生土器
- 銅鏡(小型倭製内行花文鏡)
- 鉄鏃(30号住居)
- 刀子 22
- 環頭刀子
- 鉄斧
- 馨状工具
- 鎌
- 台石
- 砥石
指定
展示
所在地等
- 名称:西弥護免遺跡
- 所在地:熊本県菊池郡大津町大津417-3
- 交通:
参考文献
- 野島永(2010)「弥生時代における鉄器保有の一様相」京都府埋蔵文化財論集 第6集 ( 創立三十周年記念誌 )
- 新井宏(2014)「弥生時代には製鉄が行われなかったか」連続講演会
- 瀬丸敬二他(1980)『西弥護免遺跡調査概報』阿蘇実験考古学研究所文化財調査報告
- 黒田裕司(1984)「西弥護免遺跡出土の鉄器について」『埋蔵文化財研究会第16回研究 集会』発表要旨
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