土偶 ― 2026年04月27日 21:43
土偶(どぐう)は、縄文時代に作られた人物をかたどる土製の焼成品である。
概要
土偶の出現は縄文時代草創期末(約1万年前)にさかのぼる。造形は人物像が中心で、特に女性像が多いが、男性像や抽象的な表現も確認されている。弥生時代に入ると土偶はほぼ姿を消す。
代表的な遺跡として青森県の三内丸山遺跡があり、大型の板状土偶が出土している。女性像では乳房や臀部に加え、妊娠を想起させるように下腹部を強調した例もあり、安産・多産・豊穣・再生などの祈願と関係する祭祀的性格が指摘されている。
なお、動物や道具など人物以外をかたどる土製品は一般に「土偶」とは呼ばず、「土製品」と区別される。
著名な例として、遮光器土偶(東京国立博物館蔵、重要文化財)があり、ゴーグル状の目の表現が特徴的である。
埴輪との違い
土偶は縄文時代に製作されたのに対し、埴輪は古墳時代に製作された焼き物である。埴輪は古墳に立て並べられる祭祀・儀礼用の遺物であり、武人・巫女・力士などの人物像や、馬・犬などの動物、さらには家屋など多様な形態をもつ。一方、土偶は女性像を中心とする人体表現が主体である点に特徴がある。
分布
土偶は縄文時代を通じて各地で作られたが、特に後期から晩期にかけて日本列島各地に広く分布する。なかでも東日本では造形が多様で複雑な土偶が発達し、分布の中心となる。
各時期の特徴
| 時代区分 | 特徴 | 主な出土例 |
|---|---|---|
| 草創期 | 土偶の出現。頭部や手足を簡略化した表現が多い。 | 相谷熊原遺跡(滋賀県) |
| 早期 | 胴部中心の造形が目立ち、関東地方(千葉・茨城)に多い。 | 上野原遺跡(鹿児島県) |
| 前期 | 小型土偶が継続し、東北・関東・中部地方で出土。 | 釈迦堂遺跡(山梨県)板状土偶 |
| 中期 | 出土量が増加し、大型化・立体化・装飾性の向上がみられる。 | 棚畑遺跡(長野県)「縄文のビーナス」(国宝) |
| 後期 | 関東内陸部や沿岸地域に広がり、地域差が顕著となる。 | 郷原遺跡(群馬県)ハート形土偶 |
| 晩期 | 東北・関東を中心に発達し、やがて衰退・消滅へ向かう。 | 亀ヶ岡遺跡(青森県)遮光器土偶 |
-遮光器土偶 - 石船戸遺跡 新潟県内で最大
-嘆きの土偶 - 井戸尻遺跡
-国宝「土偶」 - 尖石遺跡
参考文献
1. 武藤康弘,譽田亜紀子 (2014)『はじめての土偶』世界文化社
2.竹倉史人(2022)『土偶を読む図鑑』小学館
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