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丁瓢塚古墳2026年05月07日 00:09

丁瓢塚古墳(よろひさごづかこふん)は、兵庫県姫路市勝原区丁に所在する前方後円墳である。「瓢塚古墳」とも呼ばれる。揖保川流域の平野部に立地し、丁古墳群に属する古墳の一つである。

概要

本古墳は平坦地に築かれているが、東側には丘陵が迫っており、その延長上にある微高地を取り込んで築造された可能性が指摘されている。立地は低地と丘陵の接点にあたり、古墳立地の初期的様相を示すものと考えられる。

墳丘は前方部を南に向ける前方後円墳で、全長104mを測る。後円部径は53m、高さ7.5m、前方部は長さ51m、幅45m、高さ4.25mである。後円部は3段、前方部は2段に築かれており、後円部が高く発達する点は初期前方後円墳に特徴的な形態とされる。後円部墳頂は25m×20mの楕円形で平坦面を有する。1978年(昭和53年)に国の史跡に指定されている。

墳丘形態は、奈良県の初期大型古墳である箸墓古墳と比較されることが多い。丁瓢塚古墳は、前方部が鉢形に開く点などで箸墓古墳と類似するとされ、その縮小形(約3分の1規模)とする見解もある。ただし、段築構造には明確な差異が認められる。箸墓古墳では前方部が多段(3~4段)、後円部も実質的に5段築成とされるのに対し、本古墳では前方部2段・後円部3段にとどまる。

また、墳丘の比率にも違いがみられる。全長に対する後円部径の比は、箸墓古墳が約1.77であるのに対し、丁瓢塚古墳は約1.96とやや細長い形態を示す。このため、岸本直文(1988)は本古墳を単純な「箸墓類型」とみなすことには慎重な立場をとり、類似性と相違性の双方を指摘している。なお全長対後円部径の数値が箸墓に近いのは、前期古墳では五塚原古墳がある。

埋葬施設としては、後円部に竪穴式石室の一部が露出しているが、その位置は墳丘中心からやや南に偏っている。この点について岸本は、露出している石室が主体ではなく、他に中心的な埋葬施設が存在する可能性を指摘している。これは初期古墳における複数主体の埋葬構造を考える上でも重要な問題である。 1987年(昭和62年)には測量調査が実施されており、墳丘規模や形態の詳細が明らかとなった。出土した土器の中には、竹管文を押捺した壺形土器が含まれており、類例が少ない特殊な資料として注目されている。同様の土器は神戸市の乙女塚古墳や伊和中山4号墳などでも確認されており、山陰地方との文化的交流を示唆する可能性がある。

丁瓢塚古墳は、姫路地域における最古級の前方後円墳の一つと考えられている。墳丘構造や土器の特徴から、古墳時代前期初頭に位置づけられる重要な遺跡であり、播磨地域における前方後円墳成立過程や広域交流を考える上で重要な資料である。

遺構

  • 箱形石棺

遺物

  • 竹管文壺形土器

指定

  • 1978年(昭和53年)3月24日 国指定史跡

展示

  • 姫路市埋蔵文化財センター

アクセス等

  • 名称  :丁瓢塚古墳
  • 所在地 :兵庫県姫路市勝原区丁字家久田
  • 交 通 :山陽本線 はりま勝原駅から徒歩28分(2.0km)

参考文献

  1. 岸本直文(1988)「丁瓢塚古墳測量調査報告」史林 71 (6),pp.982-1003

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