富木車塚古墳 ― 2025年02月14日 23:19
'富木車塚古墳(とのきくるまづかこふん)は大阪府高石市西取石にかってあった前方後円墳である。
概要
信太山丘陵北西麓の台地先端部で、大阪府高石市西取石に築造された古墳である。 復元全長48mの前方部を西に向け、低い形の前方後円墳である。 埋葬施設は6カ所あり、くびれ部から祭祀に関係する須恵器が大量に出土した。後円部には全長7mの横穴式石室があり、亀甲型陶棺、木棺があった。後円部南西には内法長1.6m、幅0.38mの粘土槨があり、副葬品として鉄刀、鉄鏃、須恵器、粘土槨上方から須恵器(高坏、坏蓋)が出土した。後円部西側には組み合わせ式木棺が埋置されていた。棺内には赤色顔料が認められた。中央の埋葬施設は、土壙内に組み合わせ式木棺を安置したもので、副葬品として玉類が豊富であり、また装着状態を示して出土している。先端寄りの埋葬施設は土壙内に組合せ式木棺が安置されていた。長さ2.8メートル・内法長2m、幅0.7メートルを測る。副葬品として金環、太刀、鉄鏃、銀製中空玉が検出される。 1959年(昭和34年)に発掘調査が実施されたのち、昭和40年代後半の宅地開発で消滅した。墳丘周囲に周濠はない。
発掘調査
古墳の規模
- 形状:前方後円墳
- 築成:前方部:なし、後円部:なし
- 墳長:45m(復元48m)
- 後円部:径25m 高5m
- 前方部:幅12(復元18) 長25m 高3.2m
遺構
- ①横穴式石室、
- 粘土槨
- 亀甲式土師質陶棺・木棺
- 遺骸を有機質のものでくるんだ
- 箱形木棺
遺物
後円部第Ⅰ
- 耳環
- 玉類
- 鉄刀片
- 鉄鏃
- 石突
- 挂甲
- 轡・
- 木製壺鐙
- 杏葉
- 辻金具
- 飾金具ほか
- 須恵器
- 板状鋲留鉄製品
- 筒状鋲留鉄製品
- 鞴口
後円部第Ⅱ
- 鉄刀
- 石鏃
- 須恵器
後円部第Ⅲ
- 琥珀棗玉
- 鉄刀
- 土師器
前方部第Ⅰ
- 鹿角装環頭大刀
- 鉄鏃
- 刀子
- 須恵器
前方部第Ⅱ
- 耳環
- 玉類
- 鉄刀
- 鉄鏃
- 鉄製利器
- 須恵器
前方部第Ⅲ
- 耳環
- 玉類
- 鉄鏃
- 鉄製利器
- 須恵器
時期
- 6世紀前半と推定されている。
指定
アクセス等
- 名称:富木車塚古墳
- 所在地:大阪府高石市富木918-2・3
- 交通:
参考文献
- 阪市立美術館(1960)『大阪市立美術館学報3:富木車塚古墳』大阪市立美術館
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