田租 ― 2025年02月14日 22:32
田租(でんそ)は律令制において田地に課された租税である。
概要
班田収授法により、人民に口分田を与え、そこで収穫した稲の3~5%を納める税である。701年に制定された大宝律令にも継承され、律令制の根幹原則となる。口分田を支給された者は租として、収穫の3%から5%のイネを納めなければならない。税は稲の物納であつた。 田租は男女、年齢(6歳以上)、位階、良賤によらず一律に口分田を耕作するものに「戸」を単位に課税された。田の収量を考慮せず、一律に課税されたため、収穫量の少ない田では厳しい税率となった。
養老律令
「田は、長さ30歩、広さ12歩を段とする。10段を町とする。段の租は稲2束2把とする」「田は、長さ30歩、広さ12歩を段とすること。10段を町とすること。」「段の租は稲2束2把である。」支給される面積は六歳以上の男子が2段(約2,400㎡)で、女子はその3分の2である。田租は、国土の収穫がある早晩に準じて、9月中旬から輸納を始める、11月30日以前に納入を終えることとされていた。
参考文献
- 久武綾子(1985)「古代の家族経営」
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