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島遺跡(飛騨)2025年03月14日 00:06

島遺跡(飛騨)(しまいせき)は岐阜県飛騨市にある縄文時代の遺跡である。

概要

縄文時代中期中葉から後葉にかけての集落跡である。地域間交流を示す各地域の土器が出土した。石棒の未製品が出土したことから、石棒の製作過程が明らかになった。集落の中心に広場があった。島遺跡の北100mにある塩屋金清神社遺跡は縄文時代後期の石棒の製作地である。

調査

岐阜県古川土木事務所による平成21 ~ 25 年度事業の一般国道360 号種蔵・打保バイパス道路改築事業に伴う遺跡調査で発見された。西側から弧状に連なる竪穴建物跡などが確認されている。東側から廃棄土坑群、立石が確認された。地元産出の塩屋石製石棒の製作と廃棄の痕跡を確認している。土器の器種は深鉢がほとんどである。他に浅鉢、鍔付土器、釣手土器、小形土器などがある。深鉢は北陸系新崎式、北陸系古府式、北陸系古串田新式に比定できる深鉢、北陸系古串田新式に比定できる深鉢、北陸系串田新Ⅰ式に比定できる深鉢など多様である。

遺構

  • 竪穴建物跡26軒
  • 炉跡1基
  • 土器埋設遺構6基
  • 柱穴跡1基
  • 土坑325基
  • 広場跡
  • 遺物集積遺構3基

遺物

  • 縄文土器
  • 石器
  • 石製品
  • 木製品
  • 骨片など85460点

石棒

島遺跡で石棒類は22 点出土した。特徴は大型石棒の完成品8点・製作の初期段階が18点、素材の塩屋石の自然石が出土したことであり、これは島遺跡が大型石棒の製作を行った石棒製作遺跡であることを示す。“塩屋石”とされる流紋岩質熔結凝灰岩の柱状摂理を用いた、後期中葉を中心とする時期の石棒(中型石棒)製作が明らかになった。塩屋石製の石棒類は、宮川流域の堂ノ前遺跡をはじめ、上流部の高山市周辺から、下流部の富山平野まで分布している。特定の遺跡で製作された石棒が各地で共有されたことを示されている。地域における石棒を中心とする儀礼行為の精神文化の共通性をも示す事例である。

指定

展示

考察

アクセス

  • 名称:島遺跡
  • 所在地:岐阜県飛騨市宮川町塩屋
  • 交 通:

参考文献

  1. 飛驒市教育委員会(2012)『島遺跡2・塩屋金清神社遺跡3』飛騨市文化財調査報告書 4