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敷石住居2025年08月10日 23:18

敷石住居(しきいしじゅうきょ)は、平たい石を床に敷き詰めた縄文時代の住居である。 「柄鏡形敷石住居」ともいう。

概要

関東地方と中部地方(東京、神奈川、静岡、山梨、長野、群馬)を中心として、縄文時代中期終末期に出現し、後期中葉期に廃絶する。敷石をもたない柄鏡形構造をもつ例も存在する。 特徴は(1)床に石を敷くこと、(2)住居に付属して突出する出入口施設(「張出部」と呼ぶ)をもつことである。敷石は拳大から一抱えもある石である。住居の平面形態は柄の付いた鏡や鍵穴のような形であり、住居の出入口となる。囲炉裏を中心に平板石をきれいに敷き詰める事例がある。

累積寄与率

「柄鏡形敷石住居」は1924年(大正13年)10月、東京府南多摩郡南村(現・東京都町田)高ヶ坂字坂下の地の牢場遺跡で初めて発見された。川島義一(2023)による多重対応分析(カテゴリカル変数に対する主成分分析)では第一主成分であるDim1と第二主成分であるDim2の寄与率の合計値(累積寄与率)は26.7%と非常に低い結果となっている。川島義一(2023)は「柄鏡形敷石住居」は加曾利EⅢ(新)式期に突然出現したものではなく、それまでの多様な遺構属性の組み合わせを引き継ぎ、そこに張出部を設け、敷石・周礫を施したものと考えるべきであると指摘した。 従来の柄鏡形住居址の分類とは異なっており、川島義一(2023)は累積寄与率を用いて新たな視点を提供した。

住居内の暮らし

一見して敷石住居には床にゴロゴロと石があるので、暮らしにくいようにみえる。しかし、じつは住みにくくはないようだ。住居内に石を敷く目的は、地面からの湿気を防ぎ、冬の凍結や湿気を防ぎ、ぬかるみを抑えることにあった。丸石(川原石など)が多く、石の間に隙間が空くため、そこに泥や小石、敷物を置くことができた。

寝るときは植物素材の敷物を敷いていた。

乾かわしたヨシやスゲ、カヤなどの植物を厚く敷き詰めると、クッション性と保温性を確保でき、寝ることができる。石に直接触れると冷たいので、厚手の敷物は必須であった。

シカや猪、熊の皮を使う

シカやイノシシの皮は断熱効果が高いので、冬の寝具(掛け布団)となる。

害虫からの防御

石床は土の床より水はけがよく、腐敗や害虫の発生、侵入を防げる。

敷物を使用した証拠

縄文時代に敷物を使った証拠は、土器の底部についた敷物圧痕である。縄文時代の下宅部遺跡では219 点の資料のうち敷物圧痕は119 点にみられた(真邉彩(2014))。編物底(117 点)では広義のござ目編みが最も多く,次いで網代編みとなるように,基本的に2種類に限定されている。素材の候補としてイネ科タケ亜科の割り裂き材である可能性が指摘されている。

敷石住居の事例

  • 牢場遺跡 町田市、縄文時代後期
  • 中山敷石住居跡 群馬県吾妻郡高山、縄文時代の中期後半から後期前
  • 柴原A遺跡 福島県三春町柴原字柴原、縄文時代の中期から後期

参考文献

  1. 山本暉久(2017)「柄鏡形(敷石)住居址研究の五〇年」昭和女子大学文化史研究 20号, pp.1-3
  2. 川島義一(2023)「鏡形住居の出現期の再検討:地域の遺跡群研究の視点から」國學院大學大学院紀要 48,pp.193-210
  3. 真邉彩(2014)「下宅部遺跡における縄文土器の敷物圧痕分析」国立歴史民俗博物館研究報告 第187 集

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