中東遺跡 (埼玉) ― 2025年09月12日 00:09
中東遺跡 (埼玉)(なかひがしいせき)は埼玉県三芳町にある旧石器時代の遺跡である。
概要
武蔵野台地の北東部、標高40mの個所にある後期旧石器時代の遺跡である。約3万3千年前から約1万7千年前の地層から3,500点を超える石器が出土した 中東遺跡の遺物は大部分が静岡県天城地区から持ち込まれた黒曜石で、一部が長野県霧ヶ峰地区から産出する黒曜石であった。 中東遺跡から、黒曜石など石器を製作した痕跡が発見された。面積は51000m2である。発掘調査により、当時の人々は約1万6千年もの長い間、何度もこの地を訪れては石器を作ったり狩りをしていたことが判明した。小川が流れ、狩りの対象である獣たちが集まる場所は、暮らすのに最適な土地であった。
調査
1992年以降考古学的調査と地質地形分析により、過去に河川があったことが判明した。埋没した河川の両岸から3300点を超える石器や礫が出土した。黒曜石製ナイフ形石器、掻器や削器が出土した。 平成22年度までに5地点を調査し、うち3地点から3300点を超える石器や礫が出土した。6層・7層の火山灰測定では、形態・色調・屈折率の数値から2.8万年から3万年前の南九州姶良カルデラからの噴出物と判断された。5層下部は1.5万年前から1.65万年前の浅間山の噴出物であった。
遺構
- 石器集中7
- 礫群1
遺物
旧石器
- ナイフ形石器 黒曜石製
- スクレイパー
- 削器
- 稜付石刃
- 敲石
- 台石
- 二次加工のある剥片
- 使用痕のある剥片
- 石核
規模
- 南北 30km
- 東西 40km
- 面積 51000m2
指定
アクセス
- 名称:中東遺跡
- 所在地:埼玉県入間郡三芳町上富195-1
- 交通:東武東上線 鶴瀬駅 1時間10分 5km
展示
- 名称:三芳町歴史民俗資料館
参考文献
- 三芳町教育委員会(2016)「中東遺跡 第6地点・第7地点」
- 三芳町教育委員会(2011)『三芳町埋蔵文化財報告37:中東遺跡第2地点・第3地点』三芳町教育委員会
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