立正大学博物館 ― 2026年03月05日 00:32
立正大学博物館(りっしょうだいがくはくぶつかん)は埼玉県熊谷市の立正大学熊谷キャンパス内に所在する大学博物館である。2002年(平成14年)4月に開館し、同大学の考古学研究の蓄積を基盤として、日本およびアジアの考古資料を体系的に収蔵・展示している。 本館は、1932年(昭和7年)に設置された立正大学考古学資料室および1978年(昭和53年)に熊谷キャンパスに開設された考古学陳列室の収蔵資料を母体として整備されたもので、学内研究成果の公開と地域文化への貢献を目的としている。
収蔵・展示資料の特色
1.ネパール・ティラウラコット出土資料
本館の特徴の一つが、ネパール・ティラウラコット遺跡出土資料群である。これらは日ネパール親善の一環としてネパール考古局より寄贈された資料で、南アジア仏教文化圏の考古資料として学術的意義が高い。
2.旧石器時代資料
日本列島の旧石器文化を示す資料として、北海道白滝遺跡出土品のほか、立正大学が調査を行った北海道報徳遺跡、神奈川県朝日遺跡の出土品を収蔵する。大学による発掘成果を直接示す点に特色がある。
3.縄文時代資料
埼玉県石神貝塚、千葉県築地台貝塚の出土品をはじめ、大学OB吉田格氏寄贈の縄文土器群が重要である。
- 早期:花輪台式・子母口式
- 後期:称名寺式・堀之内式
- 晩期:安行各式
また、称名寺貝塚出土の土器・石器・骨角器および骨角器原料(鹿角)も収蔵しており、縄文時代の地域文化変遷を比較研究するうえで貴重な資料群となっている。
4.弥生時代資料
東京都久ヶ原出土の弥生式土器を所蔵し、関東地方における弥生文化受容の様相を示す資料として位置づけられる。
5.古墳時代資料
埼玉県野原古墳群出土の耳飾・直刀・鉄鏃・須恵器などの発掘資料を展示しており、地域首長層の副葬品構成や武器体系を考察する手がかりを提供する。
6.古代窯業研究資料
1958年から1980年にかけて、文部省(現・文部科学省)科学研究費の交付を受けて実施された「古代窯業の考古学的研究」による発掘資料を所蔵・展示している。これは戦後日本考古学における生産遺跡研究の先駆的成果を示すものである。
学術的意義
立正大学博物館は、単なる展示施設ではなく、
- 大学附属機関としての研究成果公開
- 学外研究者への資料提供
- 地域社会への文化資源還元
という三つの機能を担う。とくに、関東地方を中心とした旧石器時代から古墳時代に至る通時的資料群を有する点、ならびに南アジア考古資料を併せ持つ点に特色がある。
立正大学文学部考古学研究室発掘資料
- 朝日遺跡(神奈川県) -旧石器時代
- 報徳遺跡(北海道) - 旧石器時代
- 白滝遺跡(北海道)
- 石神貝塚(埼玉県) - 縄文時代
- 野原古墳群(埼玉県)- 古墳時代
- 長熊(ながくま)廃寺跡・ - 千葉県
- 九十九坊(くじゅうくぼう)廃寺 - (千葉県)
- 大椎経塚(千葉県)
古代窯業
- 前田野目窯跡(青森県)
- 荒沢窯跡(山形県)
- 町沢田窯跡(山形県)
- 上小友窯跡(群馬県)
- 金山瓦窯跡(群馬県)
- 新沼窯跡(埼玉県)
- 虫草山窯跡(埼玉県)
- 亀ノ原窯跡(埼玉県)
- 新久窯跡(埼玉県)
- 八坂前窯跡(埼玉県)
- 八瀬里工房跡(埼玉県)
- 宮ノ前窯跡(埼玉県)
- 鶴牧窯跡(埼玉県)
- 宮洞窯跡(長野県)
- 若宮窯跡(長野県)
- 御牧ノ上窯跡(長野県)
- 青水窯跡(広島県)
- 平田窯跡(福岡県)
アクセス等
- 名称:立正大学博物館
- 所在地:〒360-0194 埼玉県熊谷市万吉1700
- 開館日: 月・水・木・金曜日 (大学休業中を除く)
- 開館時間:10:00~16:00
- 入館料: 無料
- 交通: 熊谷駅【JR(上越・北陸新幹線/高崎線/湘南新宿ライン/上野東京ライン)、秩父鉄道】下車 南口より森林公園駅行・立正大学行バス(国際十王バス)で約10分
参考文献
- 立正大学博物館(2002)「立正大学博物館年報」
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