金剛寺原遺跡 ― 2024年09月02日 00:06
金剛寺原遺跡(こんごうじばるいせき))は宮崎県宮崎市にある後期旧石器時代の遺跡である。
概要
宮崎平野の舌状に延びる丘陵部の根幹部にやや平坦部をもつ洪積台地の垂水台地に所在する。宮崎市教育委員会により第1と第2遺跡が調査された。
第1遺跡
第1遺跡では、ナイフ形石器、スクレイパー、使用痕剥片1片および剥片等の233点の石器が出土した。 九州型ナイフ形石器4点、瀬戸内技法第二工程の接合資料、大量の掻器、石錐は2点出土、スクレイパーは33点出上、敲石は3点出上、二次加工素剥片は18点出上した。
第2遺跡
金剛寺原第2遺跡はナイフ形石器文化に相当する後期旧石器時代の単純遺跡であった。 遺跡からは集石遺構3基が検出され、切出形のナイフ形石器7点、スクレイパーをはじめ角錐状石器や石錐、横長子1片素材を主体とした瀬戸内技法関連石器群が出土した。 スクレイパーは両側縁に粗い調整が施され、扶入を呈している。狭入はあまり顕著ではない。 3号集石遺構はB-6区東側で検出され、挙大の石礫94個が出土した。焼上、炭化物等は検出されなかった。後期旧石器時代のナイフ形石器文化期所産の資料としては、宮崎平野では船野遺跡、堂地西遺跡など数例が知られているだけである。九州では、AT上位のナイフ形石器文化においては、ナイフ形石器と劉片央頭器、角錐状石器等が伴出して認められることが特徴に挙げられ、赤木遺跡、堂地西遺跡は特にその特徴を兼ね備えている。金剛寺原第2遺跡については、剣片尖頭器の出土はなかった。石器群の出土総数が少ないため、金剛寺原第1遺跡。金剛寺原第2追跡と直接対比できる石器は見当たらない。金剛寺原第2遺跡は、堂地西遺跡・芳ヶ迫第1遺跡および赤木遺勤などとほぼ同じ時期か、あるいは、やや新しい時期と想定された。
指定
考察
旧石器時代では、石器だけなので土器のように緻密に編年することは難しい。
アクセス等
- 名称:金剛寺原遺跡
- 所在地:宮崎県宮崎市瓜生野
- 交通:
参考文献
- 宮下貴浩編(1990)「金剛寺原第1遺跡・金剛寺原第2遺跡」宮崎市教育委員会
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