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柳沢遺跡(長野)2025年04月23日 00:05

柳沢遺跡(長野)(やなぎさわいせき)は長野県中野市にある弥生時代の遺跡である。

概要

東日本で初めて発見された青銅器の一括埋納坑の出土品で知られる。西日本で盛行した青銅器祭祀の東日本への波及を示す。銅戈は九州型1口・近畿型7口で、銅戈の生産・流通を考えるうえで学術的価値が高い。 また、銅鐸5口の一部の内面には舌の垂下による磨減痕があり、具体的な使用法が復元できる。 墓域から礫床木棺墓が大型の1号墓を囲むように多数検出され、このうち5基から管玉が出土した。特に1号墓には101点もの管玉が副葬されていた。壺に描かれたシカの線刻画は、同様のモチーフが青銅器の分布圏にみられることから、精神文化の共通性を示す。 2006(平成18)年から2008(平成20)年の長野県埋蔵文化財センターによる発掘調査で出土した212点が重要文化財に指定された。

調査

平成17 年度以降に実施予定の公共事業等に係る埋蔵文化財等保護協議が実施され、千曲川河川事務所から、千曲川、夜間瀬川合流点付近の無堤地を解消するため築堤工事を実施する事業計画が示され、当該地の試掘調査を中野市教委が実施し、遺構等が発見されて本発掘調査が必要となった場合は、長野県埋蔵文化財センターが実施することになった。調査の結果、水田跡や弥生土器、平安時代の土師器の破片等が出土したことにより2,000㎡について本発掘調査が必要と判断された。県埋文センターが平成18 年度に調査を実施ことになった。 2007 年10 月17 日の青銅器埋納坑及び青銅器の発見により、調査を取巻く環境は大きく変わった。柳沢遺跡は、東日本の弥生時代・弥生文化を考える上で極めて重要な遺跡であると文化庁として認識した。青銅器は、銅戈が近畿型Ⅰ式(大阪湾型a 類)に該当し、銅鐸は菱環鈕2式から外縁付鈕1式に相当すると指摘された。礫床木棺墓群の再検出では、重複と捉えていた礫床木棺墓が大型の礫床木棺墓1 基と判明した。弥生時代の竪穴住居跡、縄文時代の竪穴住居跡・配石遺構・貯蔵穴等が検出された。

遺構

弥生時代

  • 青銅器埋納坑1
  • 礫床木棺墓20
  • 竪穴建物4
  • 水田
  • 溝18
  • 土坑21

遺物

  • 銅鐸5
  • 銅戈8
  • 弥生土器(栗林式+吉田式+箱清水式)
  • 管玉
  • 匂玉
  • 打製石鏃
  • 磨製石鏃
  • 太形蛤刃石斧
  • 扁平片刃石斧

考察

展示

指定

  • 2014年8月21日 国指定重要文化財

所在地等

  • 名称: 柳沢遺跡
  • 所在地:長野県中野市屋敷添419-2
  • 交通: 東日本旅客鉄道(JR東日本)飯山線 蓮駅から徒歩30分(2.1km)

参考文献

  1. 長野県埋蔵文化財センター(2012)「中野市柳沢遺跡」