弧帯石 ― 2025年06月26日 00:10
弧帯石(こたいせき)は帯状の弧を描いた石である。正面に人の顔を造り出すことがある。 「弧帯文石」「施帯文石」「亀石」ともいう。
概要
弥生時代に作られた石器で岡山の楯築遺跡から出土した弧帯石が知られる。文様は弧帯文と言われ、縄目や帯を曲線状に配置するモチーフの文様である。特殊な帯状曲線入組文様である。文様の呪力が信じられていた。纏向遺跡からも弧帯文様を施した木の板や石が出土する。同様の文様の弧文円板は石塚古墳(奈良県、纏向遺跡)の周溝から発見されている。 東田大塚古墳の東南約180mの布留式期の溝から全長4.5cm、厚さ1.1cmの弧帯石が発見された。粘板岩製で弧帯文(弧帯文様)が浮き彫りにされている。 吉備の弥生時代から古墳時代への移行期の特殊器台に作られた文様に類似する。 纏向遺跡と吉備の密接な関連性を示唆するものである。
出土例
- 弧帯文石 楯築神社の御神体、岡山県倉敷市、弥生時代
- 弧帯石 纏向遺跡遺跡、奈良県桜井市、古墳時代前期
考察
纏向遺跡の人々の出身地は吉備であった可能性の根拠の一つとなる。
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