突帯文土器 ― 2024年11月01日 06:50
突帯文土器(とったいもんどき)は土器の口縁部の外面に突帯をつけ、突帯に刻み目で、連続した文様を付けた土器である。
概要
直口縁をもつ煮沸用土器の口縁部や胴部に突帯を貼り付けて めぐらせる文様を主文様とする土器である。山崎純男(1980)は「夜臼Ⅰ式→夜臼Ⅱ式a →夜臼Ⅱ式b」の編年案を提示した。泉拓良(1990)は「滋賀里Ⅲ→凸帯文1期→凸帯文2期(前半、後半)→凸帯文3期」の編年を提案した。
炭素14年代
藤尾 慎一郎、坂本 稔、東和幸(2013)は炭素 14 年代値を測定したところ、2500から2400 14C BP 台であった。九州北部の夜臼Ⅱb 式から板付Ⅱa 式併行の値であった。海洋リザーバー効果の影響は認められなかつた。立地からしてもその影響はないと見られる。2500年台の土器は夜臼Ⅱb式併行の年代,2400年代の土器は板付Ⅱa式併行の高橋Ⅰ式の年代を示しており,較正年代は前者を前8世紀,後者を前7世紀に比定できるとした。
出土例
- 突帯文土器 池島・福万寺遺跡、大阪府東大阪市、縄文~弥生時代
- 突帯文土器 斉藤山遺跡、熊本県玉名郡、縄文晩期から弥生前期
考察
参考文献
- 山崎純男(1980)「弥生文化成立期における土器の編年的研究」『鍵山猛先生古希記念 古文化論攷』鏡山猛先生古稀記念論文集刊行会
- 泉拓良(1990)「西日本凸帯文土器の編年」文化財学報 (8), pp.55-79
- 藤尾 慎一郎、坂本 稔、東和幸(2013)「志布志市稲荷迫遺跡出土弥生前期突帯文土器の年代学的調査」『縄文の森から』 研究紀要、鹿児島県立埋蔵文化財センター 編 (6),pp. 1-12
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