水精誦数 ― 2025年04月19日 00:29
水精誦数(すいしょうじゅず,Crystal Rosary)は正倉院に保管されている水晶製の数珠である。
概要
数珠は誦数、念珠とも書かれ、一定の数の珠を紐に通して、称名(仏の名を唱える)や陀羅尼(仏教の呪文)などを念誦する際に、その数を数えるために用いる。 念珠を持ち、仏に手を合わせると、煩悩が消滅し功徳を得ることができると考えられている。 数珠の数は、108珠が基本となる。 母珠1枚、咸珠108枚、記子10枚、記子留枚のすべてが水晶製となっている。 正倉院にはほかに琥碧誦数、菩提子誦数がある。 展示回数は少ない。
東大寺献物帳
東大寺献物帳には百済の義慈王が献納した宝物に「純金念珠 一具、白銀 念珠 一具、瑪瑙念珠 一具、水晶念珠 一具、虎魄念珠 一具、真珠念珠 一具、紫瑠璃 一具」との記載がある。そのうちの「水晶念珠 一具」の可能性がある。
水精誦数
正倉院には水精誦数は第15号、第16号、第17号、第18号、第19号の5種類がある。
展示歴
水精誦数 第15号
- 1992年 - 第44回
水精誦数 第16号
- 1954年 - 第8回
- 1977年 - 第30回
水精誦数 第17号
- 1961年 - 第14回
管理
- 名称 :水精誦数 第16号
- 倉番 :南倉 57
- 用途 :仏具
- 技法 :石製品
- 寸法 :周囲長 81.0cm
- 材質: 水晶
参考文献
- 成瀬正和(1986)「石製宝物材質調査」書陵部紀要 第8号 年次報告,p.76
池内遺跡 ― 2025年04月19日 00:32
池内遺跡(いけないいせき)は秋田県大館市にある縄文時代の遺跡である。
概要
大館市の中心部からやや南で、JR花輪線東大館駅の南東1.6kmにあり、西に流れる米代川の右岸に形成された河岸段丘上とその斜面に立地する。池内遺跡が立地する台地は、最大150m、最小40m、平均120m の間隔をもち、北東から南西に200m の長さで張り出している。 池内遺跡は縄文時代前期の集落跡で、居住域、貯蔵域、墓域、捨て場が確認されている。
調査
池内遺跡の発掘調査は、平成4年度から平成7年度まで4カ年にわたり実施されている。平成4年度では平成4年5月11 日から開始し、土坑60 、柱穴様ピット多数を検出した。フラスコ状土坑から円筒下層式土器のほか、大木式土器を検出した。遺構では円形土坑プラン23 と柱穴プラン多数を検出した。北東側の杉林地区でも方形の竪穴住居跡プラン4と円形土坑プラン1を検出した。 遺構プランは、竪穴住居跡プラン32(うち方形プラン9 )、円形土坑プラン72 、性格不明プラン2の計106 遺構と柱穴様ピット多数を検出した。
平成5年度では平成5年4月19 日から発掘調査を再開した。竪穴住居跡プラン2 (S 1 307、S1 308) 、円形土坑プラン数基を検出した。縄文時代の竪穴住居跡3軒、土坑4基、T-pit 3基、現代の竪穴状土坑(室) 1基、柱穴様ピット多数などを、またC-2区では竪穴住居跡3軒、フラスコ状土坑4を検出した。
平成6年度は平成6年5月16日から調査し、縄文時代の遺物を多量に確認した。土坑7基、フラスコ状土坑3墓、フラスコ状土坑1基(S K F 507) の底面から縄文時代後期の壷形土器がl個体出土した。円形あるいは楕円形の竪穴住居跡プラン7、土坑プラン6を検出した。埋土中から下半を欠損する岩偶がl点出土した。フラスコ状土坑では、円筒下層式の深鉢形土器と大木式の深鉢形土器が共伴出土した。ニワトコなど多量の植物穂子とクルミの核、クリなどの堅果類、獣骨が出土した。
平成7年度は平成7年4月20 日から調査開始し、彫刻されたクルミ、漆を塗った木片、植物遺存体、クルミ、クリ、トチノキ、桜皮、木片、多量の種子、獣骨、魚骨、を検出した。ニワトコの純層(厚さ2cm) 数カ所、ドーナツ状の木製品(直径10cm) 1点、切断された木材、自然木、加工材、樹皮、クルミ、クリ、植物種子、獣骨、魚骨、貝などが出土した。 横倒しになっていた大木の下から破断面が新しい漆塗り木製品の破片が出土した。ニワトコ集中土壌から琉泊の玉を1偶発見した。
4年間で検出した縄文時代の遺構は、竪穴住居跡79 軒、土壌墓45 基、フラスコ状土坑171 基、土坑177 基、掘立柱建物跡63 棟、T -P i t 22 茶、土器埋設遺構9基、捨て場5カ所の、計566 遺構と捨て場5カ所であった。彫刻されたクルミは本邦初である。高台付漆塗りは県内初例である。
遺構
- 竪穴建物
- 土壙墓
- フラスコ状土坑
- 土坑
- 掘立柱建物
- Tピット
- 埋設土器
- 捨て場
遺物
- 深鉢土器
- 壺形土器
- 石器
- 石製品
- 木製品
- 彫刻されたクルミ
- 建物構造材
- 植物遺存体(種子堅果樹皮)
- 動物遺存体(魚骨、獣骨、貝、昆虫)
考察
展示
指定
所在地等
- 名称: 大津保畑遺跡
- 所在地:秋田県大館市池内字上野56から110
- 交通:
参考文献
- 秋田県埋蔵文化財センター(1997)『秋田県文化財調査報告書268:池内遺跡』秋田県教育委員会
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