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製塩土器2025年04月27日 00:34

製塩土器(せいえんどき)は古代において塩をつくるための土器である。

概要

海水中には約3%の塩分があるため、熱を加えて水分を蒸発させると塩を得ることができる。

製塩土器と通常の鉢や甕との見分け方

製塩土器は熱が内部に効率よく伝わるよう、土器の壁を薄く作る。また内面を滑らかに作る。 製塩土器は破片で見つかることが多い。加熱痕や独特の色調をもつ。

分布

縄文時代後期や晩期には関東地方や東北地方の太平洋岸に広く分布する。弥生時代後期以降は西日本が中心になる。若狭、能登、瀬戸内海沿岸、伊勢湾沿岸などが盛んである。

製塩工程

『万葉集』『風土記』に、「藻塩垂る」とあるのは、海藻に海水をかけ水分を蒸発させて塩分濃度の高い海水を作る工程を表している。

瀬戸内の製塩土器

3つのタイプに分かれる。

  1. 脚台タイププ(古墳時代前期)
  2. 小椀タイプ(古墳時代中期)
  3. 大形ボウルタイプ(古墳時代後期)

出土例

  • 製塩土器 - 上高津貝塚、茨城県土浦市上高津、縄文時代晩期
  • 製塩土器 - 里浜貝塚、宮城県鳴瀬町、縄文時代/紀元前500年、東北歴史博物館
  • 製塩土器 - 小島東遺跡、大阪府泉南郡岬町多奈川小島401番地、弥生時代後期以降期

参考文献

大日山35号墳2025年04月27日 00:36

大日山35号墳(だいにちやまさんじゅうごごうふん)は和歌山県和歌山市岩橋・井辺にある和歌山県で最大級の前方後円墳である。岩橋千塚古墳群のひとつである。

概要

和歌山県東部の標高141mの大日山山頂に立地する。墳丘主軸を南北方向として前方部を南、後方部を北に向ける。6世紀前半の当時この地域を支配していた古代豪族の紀氏を中心とする勢力による築造と想定されている。 基壇や墳丘の各段の平坦面は円筒埴輪列で囲まれる。和歌山県内最大級の墳丘規模で、立地と墳丘規模から当該期の首長墳と評価されている。当該期の大王墓に比定されている今城塚古墳との共通性から畿内政権中枢との関係が推定されている。墳丘の長さは約86mであり、約105mの盾型基壇の上に作られる。両面人物埴輪や翼を広げた鳥形埴輪などの独自の地域色が表れる器種がある。

調査

2003年度から2005年度にかけて和歌山市教育委員会が3年間の発掘調査を行った。墳丘は三段構成である。最下段は全長約105mの盾形の基壇で、その上に二段構成で墳長約86mの前方後円形の墳丘がある。玄室は長さ4.3m、高さ2.8mで、2枚の板石を水平に懸架する石棚と水平の石梁がある。石室から装身具、武器、武具、馬具、農工具などの副葬品が出土した。東西に造り出しがあり、飲食物供献用の須恵器とともに形象埴輪群がコンテナ300箱分が出土した。円筒埴輪列は墳丘を三重に巡る。円筒埴輪列は朝顔形埴輪や蓋形埴輪が組み合わされる。東の造り出しからは形象埴輪群の中心に家型埴輪があり、その周囲に翼を広げた鳥、水鳥、猪、犬、牛、馬などの動物の埴輪、貴人、力士、太刀などの埴輪が出土した。西の造り出しからは武人、巫女、両面人物、盛装男子、冠帽人物、飾り馬、胡簶(ころく)、靫(ゆぎ)、家型埴輪、蓋などが出土した。翼を広げた鳥、胡簶、両面人物の埴輪は珍しい。

規模

  • 形状 前方後円墳
  • 墳長 86m
  • 後円部径 径37~39m 高6~6.5m
  • 前方部 幅49~50m 長23~24m 高7.5m

遺構

  • 円筒埴輪 円筒埴輪
  • 葺石 なし
  • 主体部 横穴式石室

遺物

  • 埴輪小片出土
  • 変形獣文鏡
  • 鉄刀残欠
  • 馬具残欠
  • 高杯
  • 杯1
  • 坩1
  • 長頸壺2

指定

  • 2016年8月17日 重要文化財指定 「和歌山県大日山35号墳出土品」

被葬者

  • 古代豪族紀氏による築造と考えられている。

築造時期

  • 6世紀前半

展示

  • 和歌山県立紀伊風土記の丘

アクセス等

  • 名称:大日山35号墳
  • 所在地:和歌山県和歌山市井辺
  • 交通:

参考文献

  1. 和歌山県教育委員会(2025)「岩橋千塚古墳群総括報告書Ⅰ」