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宿戸遺跡2024年07月07日 23:04

宿戸遺跡(しゅくのへいせき)は、岩手県九戸郡洋野町にある縄文時代の遺跡である。

概要

岩手県沿岸の最北端の洋野町にある遺跡である。宿戸遺跡は海岸から約450m、標高は35~53mの海岸段丘上に立地する。

調査

発掘調査は三陸沿岸道路建設に伴い行われた。平成28年4月から7月、平成29年4月から11月、平成30年4月から7月の延べ16箇月間で17,400㎡を発掘した。 発掘調査竪穴建物21基、石器 425 箱、土器 82 箱が出土した。石斧石材には花崗閃緑岩や砂岩等を使用し、敲石にはチャートを用いる。近隣海岸で砂岩やチャートは容易に入手できる。石斧の製作に適した地域である。 土器は縄文時代、早期、前期、中期、晩期、弥生時代前期、中期、後期が見つかっている。北海道 平取町産「アオトラ石」製の磨製石斧は縄文時代の東北地方において広く流通しているものである。

遺構

  • 竪穴住居跡
    • 早期~前期前葉及び中期頃の竪穴住居跡が 23棟見つかった。壁際には小さな穴が一周巡っており、柱を立てた跡と考えられる。床面に近いところから、底の尖った尖底土器と呼ばれる早期の土器が見つかった。貝殻沈線文土器と呼ばれ、縄文時代早期中頃を中心に多く使われている。土器や遺構の特徴から、この竪穴住居跡の時期は縄文時代早期前半の可能性が高い。時期が判明している竪穴式住居は縄文早期中葉が7棟、早期中葉から後葉が2棟、前期初頭が8棟である。縄文時代は温暖化が進む時期に当たる。早期中葉の建物に十和田噴火の降灰で「十和田南部テフラ」が堆積している。降灰地域の宿戸遺跡に影響があったと見られる。約8,600年前に噴火したと考えられる十和田火山の噴出物(南部浮石)が確認された。この竪穴住居は少なくとも8,600年以前に使われていたと考えられる。
  • 陥し穴状遺構 
    • 縄文時代の人々は、木の実などを採集する以外に、獣を狩る狩猟で食物を得ていた。宿戸遺跡では、斜面地に陥し穴をたくさん掘り、動物を得ていた。24基を検出した。底に逆茂木を立てた跡が複数みつかった。
  • 貯蔵穴
    • 口が狭く、底が広い三角フラスコのような形である。このような穴は、他の遺跡で炭化した木の実などが出土した事例があり、堅果類を貯蔵する穴と考えられてる。秋という一時期に収穫した大量の木の実は、長期間貯蔵しておく場所が必要となる。貯蔵穴は底が広いのでたくさんの木の実を保存することができる。ま口は狭いので、温度と湿度を保つことができる。

土器

土器は縄文時代早期・前期・中期・後期・晩期、弥生時代前期・中期・後期が出土している。縄文時代前期では長七谷地Ⅲ群・早稲田6類・大木1式・大木2a 式・大木2b 式/ 白座式が多い。縄文時代中期では円筒上層b式、円筒上層c 式、円筒上層d式、円筒上層e式、大木8a式、大木8b式、榎林式、大木9式などである。

石器

石器は剥片を含め総点数44,633 点に上る。石器の中で最も多いのは石斧とその未製品であり、2098点があった。敲打調整に用いる敲石は781点が出土している。

石製品

人体文表現が施された可能性がある石製品が見つかった。長さ6.3cm・幅4.1cm・厚さ0.9cmで、地元産石材の砂岩を用いている。こうした文様の石製品は類例が少ない。

遺物

  • 石斧 2098点 
  • 双脚状石製品 
  • 玦状耳飾
  • コハク原石 29 点
  • 石製品
  • 深鉢型土器
  • 貝殻沈線文土器

放射線炭素年代測定

住居跡と土坑から出土した木炭の合計5点である。今回の試料はすべて木炭であるため、古木効果を考慮する必要がある。樹木の年輪の放射性炭素年代は、その年輪が成長した年の年代を示す。したがって樹皮直下の最外年輪の年代が、樹木が伐採され死んだ年代を示し、内側の年輪は、最外年輪からの年輪数の分、古い年代値を示すことになる(古木効果)。今回測定された試料にはいずれも樹皮が確認されていないことから、試料となった木が死んだ年代は測定された年代値より新しいという可能性がある。

  • 6号住居跡 床面(木炭) 試料1
    • BC6846年からBC6746年の範囲である。縄文時代前期初頭に相当する。
  • 49 号土坑(木炭) 試料2
    • BC7158年から7020年である。
  • 22 号住居跡 床面(木炭) 試料3
    • BC4830からBC4655年で、縄文時代中期中葉から後期である。

指定

アクセス

  • 名称:宿戸遺跡
  • 所在地:岩手県九戸郡洋野町種市第6地割地内
  • 交 通:JR宿戸駅から徒歩10分

参考文献

  1. 文化庁(2022)『発掘された日本列島2022』共同通信社
  2. (公財)岩手県文化振興事業団(2021)「宿戸遺跡発掘調査報告書」

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