鹿島沢古墳 ― 2024年07月06日 00:05
鹿島沢古墳(かしまさわこふん)は青森県八戸市にある飛鳥時代の円墳である。
概要
太平洋に流れる馬淵川を見下ろす高台の標高70mから90mの舌状台地に立地する末期古墳である。飛鳥時代に直径4mから10mの小型円墳が10基以上作られた。
発掘調査
1958年(昭和33年)の農作業中に須恵器や埋葬施設(2号墳)がみつかり、青森県初の古墳と話題になった。1958年8月には慶応義塾大学考古学研究室の江坂輝彌らによる発掘調査が行われ、7号墳では太刀や鉄鏃(鉄製矢じり)、金環、ガラス玉などなどが出土した。1950~60年代に須恵器が検出されている。昭和43年には宅地造成に伴い、金銅製杏葉や石製の玉が発見された。保存処理を伴う調査により7号墳から、東北地方では例のない二円孔鍔付太刀、刀、鉄鏃、環状錫製品(腕輪、耳輪)、錫製丸玉、ガラス小玉、土師器が見つかった。太刀、刀、鉄鏃は南東北や関東地方からの移入品とみられる。土師器は製作手法、使われた土、器の形が同時代の八戸周辺の集落遺跡や古墳から出土したものと共通点が多いので、地元で作られたものと見られる。 墳丘規模は、開畑によって削平されていたため明確ではない。平成30年、慶応義塾大学から7号墳出土遺物が寄贈された。
規模
- 形状 円墳
主体部
外表施設
- 葺石 なし
遺物
- ガラス球12個、
- 鉄鏃7本、
- 金環2個 - 青銅製と思われる
- 水晶玉
- 金銅製金具
- 杏葉
- 勾玉
- 管玉
築造時期
- 飛鳥時代
被葬者
- 蝦夷と呼ばれた地域の首長とみられる。
展示
- 八戸市博物館
指定
- 2002年(平成14年)4月17日 -鹿島沢古墳群出土品(一括)
- 2024年3月26日 - 鹿島沢古墳群の出土品36点を追加指定
アクセス等
- 名称 :鹿島沢古墳
- 所在地 :〒039-1167 青森県八戸市沢里
- 交 通 :JR八戸駅から徒歩1時間4分(4.4km)/バス停根城エレンシア前/八戸市交通部から徒歩6分
参考文献
- 大塚初重(1982)『古墳辞典』東京堂
- 文化庁()『発掘された日本列島2022』共同通信社
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