たつの市立龍野歴史文化資料館 ― 2024年08月03日 00:20
たつの市立龍野歴史文化資料館(たつのしりつたつのれきしぶんかしりょうかん)は兵庫県たつの市にある歴史系の資料館である。
概要
八重洲ブックセンターから建物の寄贈を受け、平成元年10月31日に開館した。 「龍野の歴史」をテーマに、たつの市域及び揖保川流域の町々の原始古代から近世までの歴史の流れを、5つのコーナーに分け、時代順に紹介する。常設展では、古墳から出土した鏡、白鳳時代の弥勒菩薩や奈良時代の誕生仏、古代駅家の出土品、江戸時代の龍野藩主の武具、播磨地方で唯一残された太閤検地帳が展示される。特別展開催中は、常設展示がなくなる。
1.原始古代の龍野
- 門前遺跡出土弥生土器
- 西宮山古墳出土飾付壺
- 長尾タイ山古墳出土馬型埴輪
- 三角縁神獣鏡
- 弥生時代の壺
2.古代の山陽道
- 奥村廃寺出土瓦(7世紀後半)
- 布勢駅家出土墨書土器(8世紀)
- 日本一小さな弥勒菩薩像 - 円覚寺 白鳳時代の金銅菩薩半跏像
- 誕生釈迦仏 - 奈良時代
- 西宮山古墳と諸豪族の紹介
アクセス等
- 名称:たつの市立龍野歴史文化資料館
- 所在地:〒679-4179 兵庫県たつの市龍野町上霞城128-3
- 休館日: 毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)、祝日の翌日
- 開館時間:午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
- 入館料: 一般:200円
- 交通:姫路駅よりJR姫新線に乗車、本竜野駅下車、本竜野駅から1.6km 神姫バス:龍野停留所から500m/JR姫新線本竜野駅から徒歩20分
*参考文献
小立古墳 ― 2024年08月03日 01:27
小立古墳(こたてこふん/こだちこふん)は奈良県桜井市にある古墳時代の帆立貝式前方後円墳である。
概要
1999年(平成11年)の圃場整備に伴う事前整備により発見された。酒井温子・村上薫史他(2005)により加工木の樹種はコウヤマキと同定された。発掘時に加工木の周囲の土は青灰色であったから酸素不足のため残存したと推測される。巨大な柱状木製品はヒノキであった。丘陵上に築かれた古墳ではなく小規模な屋根に挟まれた谷部に位置する。葺石が良好に残存し墳丘や周濠から、おびただしい数の埴輪や木製品が出土した。 古墳周濠の表面から下3.5mで木製車輪が見つかった。同時に見つかった土器から、飛鳥時代後半に廃棄されたと見られている。 車のタイヤに相当する輪木は厚さ3.7cm、幅9cmである。輻はホイールに相当し、日本最古の木製車輪である。従来は奈良時代の木製車輪が最古であった。輪木に開けた穴に輻の「ほぞ」をはめて、内周の輪木で補強する。車輪はアカガシ材であり一部は摩耗していた。貴族など一部の特権階級が使用したもので、用途としては牛車または荷車が想定される。古墳時代の古墳なので、木製車輪は古墳築造後に廃棄されたのであろう。盾形木製品には直弧文が描かれていた。
調査
発掘調査は2000年に桜井市教育委員会により行われた。後円部の1段目テラスの円筒埴輪は原位置で出土し、5本の木製埴輪の基部は立ったまま発見された。埴輪と木製埴輪の使い方がわかる古墳であった。位置は山田道の西側と推定される。埋葬施設は削平され現存しない。概報では本来3段築成とされるが(桜井市教育委員会(2002))、沼澤が示すように第3段の想定は難しいと思われ(沼澤2003:97)る。茅原大墓古墳(築造4世紀末~5世紀初)とほぼ同じ時期の古墳である。
規模
- 形状 帆立貝状古墳
- 築成 前方部:3段か、後円部:3段か
- 墳長 34.7m
- 後円部径 径28m 高2m
- 前方部 長9.7m 高1m
外表施設
- 円筒埴輪 - 円筒・朝顔形あり
- 形象埴輪
- 周濠内より甲冑・蓋形埴輪などの破片
- 周濠内より家形埴輪の破片、
- 周濠内より鶏形埴輪の破片・
- 周濠外堤上で馬形埴輪、
- 葺石 2段にめぐる
- 【周濠】盾形・幅6m・深さ1m。
主体部
遺物
- 円筒埴輪 77点
- 形象埴輪(鶏形、家形、舟形、盾形、蓋形、冑形、草摺形、短甲方、靫形)
- 木製埴輪(石見形13点、靫形2点、盾形2点、太刀形1点)
築造時期
- 5世紀 中頃から後半 (古墳時代)
被葬者
指定
アクセス等
- 名称 小立古墳
- 所在地 奈良県桜井市山田字小立
- 交通:
参考文献
- 酒井温子・村上薫史他(2005)「出土木製品に残る 劣化痕跡の解析(Ⅱ)」考古学と自然科学、日本文化財科学会誌 (51),pp.65-75
- 柴原聡一郎(2022)「遺構寸法の計測手法と古墳築造企画研究への応用」東京大学考古学研究室研究紀要35、pp.125-133
- 文化庁(2004)「発掘された日本列島2000-2004」朝日新聞社
- 桜井市文化財協会(2002)「磐余遺跡群発掘調査概報1 小立古墳・八重ヶ谷古墳群の調査」桜井市内埋蔵文化財 2001年度発掘調査報告書4
- 沼澤豊(2003)「帆立貝式古墳築造企画論(5)前方後円墳との境界(1)」季刊考古学 (84),pp.97-104
- 沼澤豊(2006)『前方後円墳と帆立貝古墳』雄山閣
- 櫻井久之(2007)「直弧文の「基本配列」に関する予察 奈良県小立古墳の盾形木製品の文様から」大阪歴史博物館研究紀要 6,pp.97-106
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