剪子 ― 2025年05月13日 00:19
剪子(せんし,Scissors)は鋏(はさみ)を意味する。
概要
切る物を2つの金属の刃で挟み、紙や布などを切断するための道具である。正倉院の灯明の芯切り用の鋏は、韓国慶州市の雁鴨池からほぼ同形の鋏が発見されており、国立慶州博物館で展示される。鋏は6世紀の中国の握りばさみが伝来したのが最初とされる。出土品では古墳時代の6世紀の鉄鋏がある。
正倉院
- 白銅剪子 - 燭台の燈芯を切るための鋏である。刃の部分に半輪形の金具がついていたことから、灯明の灯芯切りのための鋏と判明した。材料は青銅(銅68%・錫18%・鉛4%)である。
出土
- 握り鋏 - 千葉県市原城跡(門前地区)出土
- 鉄鋏 - 伝 群馬県高崎市乗附町出土、古墳時代・6世紀、東京国立博物館
- 鉄鋏 - 珠城山古墳出土、古墳時代 6世紀、奈良国立博物館、日本最古の鋏
参考文献
- 岡本誠之(1991)『ものと人間の文化史33 鋏』,法政大学出版局
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