対置式神獣鏡 ― 2025年06月30日 00:10
対置式神獣鏡(たいちしきしんじゅうきょう)は銅鏡の形式で神像と獣像を紐を中心としにはさんで対置させた形式である。
概要
中国鏡とそれをまねて作った倭製鏡とがある。紋様は、漢代の陰陽五行説や神仙思想に基づいた様々な神仙や霊獣が表現される。安倉高塚古墳には呉の年号である赤烏7年(244年)銘が記される。鳥居原(狐塚)古墳出土の対置式神獣鏡も赤烏元年(238年)の年号が記載される。呉の赤烏七年は魏の年号では正始4年に対応する。呉の年号が記された銅鏡は国内で2例だけである。中国の呉と交流があったと見られる。
出土例
- 対置式神獣鏡 出土地不明、三国時代、呉・3世紀、京都国立博物館
- 画文帯対置式神獣鏡 江田船山古墳出土、熊本県和水町、古墳時代・5~6世紀、国宝
- 鍍金対置式神獣鏡 出土地不明、後漢 2世紀、古代鏡展示館
- 対置式神獣鏡 安倉高塚古墳、宝塚市、弥生時代、古代鏡展示館
- 赤烏元年対置式神獣鏡 鳥居原(狐塚)古墳出土、山梨県西八代郡市川三郷町、古墳時代・4~5世紀、東京国立博物館
- 銘帯対置式神獣鏡 猿ヶ谷1号墳・猿ヶ谷2号墳、伊予市上三谷、3世紀中頃、呉の鏡
考察
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