津島遺跡 (岡山) ― 2025年11月15日 00:38
津島遺跡 (岡山)(つしまいせき)は、岡山県岡山市にある縄文時代晩期から弥生時代、古墳時代の遺跡である。
概要
岡山平野のほぼ中央部に位置する岡山県岡山市北区いずみ町、旭川の右岸下流域に当たる現岡山県総合グラウンド一帯に広がる遺跡である。弥生時代前期の集落と水田跡の発見は、倭国の本格的な稲作開始期の遺跡として知られる。出土品は陸上競技場のメインスタンドに作られた「遺跡&スポーツミュージアム」に展示される。地下展示に陸上競技場調査区で出土した弥生時代の建物の出土状況がそのまま再現される。北にある津島岡大遺跡では縄文時代のたき火や貯蔵穴跡がみつかっている。津島遺跡から乾田に特有のFe層.Mn層の検出があり、弥生後期の水田が乾田であったことを解明した。今日では常識となっている花粉分析や、水田雑草の析出を先進的に行った。
調査
1968年の武道館建設に当たり発掘調査が行われた。日本で初めて弥生時代の水田と集落が確認された。発掘調査の顧問には佐原眞、田中琢、坪井清足の錚々たる人物が並ぶ。発掘調査委員には若き日の松木武彦が加わる。
かごめ壺
かごめ壺は壺を籠で覆うものである。弥生時代後期後半の長頸壺であり、頸部と胴部の境から底にかけて幅7mm前後のカズラで斜め方向と胴部最大径付近にカズラを編んで斜めの紐掛けされる。
桃核
桃の種2.400個は、一遺跡からの出土数としては岡山県上東遺跡の9.606個、奈良県纏向遺跡の2.769個に次いで全国第3番目である。
特殊器台、特殊壺
吉備の墓から出土する特殊器台、特殊壺に似ているが、文様、透かし穴、胎土は異なる。砂粒を含まない精製された胎土に炭化した稲籾を含めた。
遺構
弥生時代
- 竪穴建物1
- 土坑5
- 溝6
- 水田
- 河川
- 井戸
- 舟形土坑5
- 人骨
- 貝塚4
- 木棺墓10
古墳時代
- 竪穴建物
- 掘立柱建物1
- 井戸1
- 土坑1
- 溝1
- 水田
- 弥生前期の水田・集落域
遺物
弥生時代
- 弥生土器
- 松菊里式土器
- 石庖丁1
- 石鏃1
- 石錘
- 磨石
- 砥石 石庖丁
- 石製円盤
- 鉄鏃
- 分銅形土製品
- 紡錘車形土製品
- 円盤形土製品
- 銅鐸形土製品
- ヒスイ製勾玉
- 井筒 - 木製品
- ガラス溶滓
- 種子
古墳時代
- 須恵器
- 土師器
- 刀子
- ヤリガンナ
- 小玉
- 鉄滓
- 鉄鉱石
展示
- 岡山県古代吉備文化財センター
考察
指定
- 1971年(昭和46年)1月15日 国の史跡
アクセス等
- 名称 :津島遺跡
- 所在地 :岡山県岡山市北区いずみ町
- 交 通 :
参考文献
- 岡山県古代吉備文化財センター(2000)『岡山県埋蔵文化財発掘調査報告151:津島遺跡』岡山県教育委員会
- 岡山県教育委員会(2004)「津島遺跡」
- 岡山県教育委員会(1999)「津島遺跡1」岡山県埋蔵文化財発掘調査報告書137
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