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甕棺墓2024年01月16日 18:11

甕棺/吉野ヶ里遺跡

甕棺墓(かめかんぼ)は弥生時代の前期に登場し、土器に亡くなった人の手足を折り曲げて甕棺に入れ、土の中に埋める埋葬方法である。

概要

弥生時代の北部九州を中心とする地域に多く分布する。大型の素焼きの土器を使用する。多数集合した共同墓地を形成している。衣服の一部の絹織物片、毛髪、管玉、勾玉、鉄製品などが副葬されている。副葬品の違いから階級社会が推定されている。200年間、盛んに使われていた。埋葬用に専用の大型土器(甕)を制作する。

  1. 目的 甕棺に埋葬すると骨がよく残るため、死後の再生を願うことから、甕棺墓が普及した。甕棺では遺体を屈曲させる屈葬となる。

支石墓との違い

支石墓は弥生時代「前期」の墓で、甕棺墓は弥生時代前期から後期の埋葬方法である。 支石墓は箱式石棺や土壙などの埋葬施設を設け、その上に大きな石を置く埋葬方法である。大石を支えるために石(支石)を置くことから支石墓と呼ばれる。 支石墓は巨大な蓋石を数個の塊状の石(支石)で支え、その下に埋葬部を作るものである。朝鮮半島からの影響が明らかにあらわれる。

埋葬法

単棺と合口棺とがある。前者は1つの甕に石蓋、土器や木蓋などで蓋をする、後者は2つの甕を開口部で合わせたものである。

出土例

  • 甕棺墓群「甕棺ロード」- 吉武高木遺跡 福岡市西区大字吉武
  • 安国寺甕棺墓群 - 福岡県久留米市山川神代
  • 甕棺墓 - 須玖岡本遺跡 弥生時代中期前半(紀元前150年頃)

参考文献

  1. 藤尾慎一郎(1988)『九州の甕棺: 弥生時代甕棺墓の分布とその変遷』国立歴史民俗博物館研究報告第21集
  2. 吉井秀夫(1991)「朝鮮半島錦江下流域の三国時代墓制」史林 74巻1号,pp.63-101
  3. 鏡山猛(1939)「我が古代社会に於ける甕棺葬」史淵 21,pp.83-123

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