神田・三本木古墳群 ― 2024年10月05日 00:22
'神田・三本木古墳群''(かんださんぼぎこふんぐん)は群馬県藤岡市にある204基の古墳群である。
概要
群馬県の最南端、上野村にある三国山から流れ、群馬と埼玉の県境付近を流下する中小河川である神流川に注ぐ三名川北側の段丘上及び低丘陵上に分布する。多くは横穴式石室を持ち、6世紀から7世紀代の築造と推定されている。
調査
204基の古墳群のうち53基が発掘調査されている。平成23年から25年にかけて古墳群の東部に位置する六反支群の15基の古墳が調査された。K-10号古墳の周辺に石室に凝灰岩を用い、河原石を積み上げて墳丘とする同程度の規模の円墳が4基みつかった。
K-9号古墳
K-9号墳は径8mの円墳で、無袖の横穴式石室を持つ。玄室は凝灰岩の切石、羨道は自然石を使用しており、石材にノミの跡が残る。床面には石を敷き詰める。
K-10号古墳
K-10号墳は径12mの円墳で、墳丘、石室とも良好に残る。石室は玄室に凝灰岩を使用し、仕切石で区画する。南端のK-10号古墳から人物埴輪6体と円筒埴輪27個体が築造当時の位置のまま検出された。古墳の石室右側に武人2個体、巫女3個体、不明1個体であった。円筒埴輪は墳丘を囲むように置かれていた。河原石を積み上げて墳丘とする。玄室の平面形はT型の珍しい形状である。6世紀後半の築造。
伊勢塚古墳
藤岡市上落合318、県道174号線の北。基壇上に二段に築かれた対角長27mの不正八角形墳である。南向きに開口する横穴式石室は全長8.94m、玄室長4.7m、最大幅2.4m、高さ2.6m、羨道長4.24mの両袖式である。羨道は川原石の乱石積み、玄室の奥壁は砂岩の三段積み、側壁は珪石の周囲に棒状の片岩を組み合わせた模様積みで、胴張り状にアーチを描きながら、卵形の天井石を支える。
七輿山古墳
伊勢塚古墳の南にある大型前方後円墳である。県内三位、六世紀代では東日本最大。全長145m、後円部径87m、前方部幅106m、墳丘は三段築成で、三重の周濠が巡る。中堤の前方部側に二ヶ所の方形造り出しが確認される。
遺構
- 横穴式石室
- 玄室
遺物
- 人物埴輪6
- 円筒埴輪27個体
築造時期
- 6世紀後半
被葬者
展示
指定
考察
アクセス等
- 名称:神田・三本木塚古墳群
- 所在地 :群馬県藤岡市神田字塚間1322/1375-6/三本木字下原864
- 交 通 :藤岡駅から5388m
参考文献
- 藤岡市教育委員会(1988)『神田・三本木古墳群』藤岡市教育委員会
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