若王子古墳 ― 2025年02月09日 00:13
若王子古墳群(にゃくおうじこふんぐん)は静岡県藤枝市にある4世紀から6世紀にかけてつくられた藤枝市内最古の古墳群である。
概要
標高100mの尾根の上に位置する。4世紀から6世紀末にかけて作られた。1辺10mから18mの円墳と方墳が28基まとまる。前方後円墳はない。4世紀から5世紀にかけての古墳が多く、6世紀代の古墳は少数である。 古墳からは車輪石、勾玉、管玉、臼玉、ガラス玉、太刀、鉾、鉄鏃、鎌、鉄斧、土師器、須恵器などが出土する。1号墳・31号墳から鏡が出土した。出土品で最も注目されるのは、倒卵形車輪石とされる。車輪石は東日本では例の少ない出土品である。 現在は蓮華寺池公園の中で「古墳の広場」として保存整備される。
各古墳
1号墳は、径18mの円墳で、主体部は2基の木棺直葬である。6号墳は径17mの円墳、7号墳は径14mの円墳で、主体部は割竹形木棺直葬である。8号墳は径15mの円墳で、主体部は不明である。9号墳は径16mの円墳、10号墳は径18mの円墳で、いずれも主体部は不明である。11号墳は11×8mの方墳で、主体部は木棺直葬である。12号墳は18×11mの長方形墳で、主体部は長さ6.9mの舟形木棺直葬である。南端のエリアにある13号墳は径12mの円墳であり、主体部は2基の木棺直葬である。 15号墳は8×5mの長方形墳で、主体部は木棺直葬である。17号墳は一辺7mの方形周溝墓である。19号墳は12×11mの方墳で主体部は木棺直葬である。20号墳は径5mの小円墳で、主体部は横穴式石室である。22号墳は墳形は不明で、主体部は横穴式石室である。 木棺直葬(若王子12号墳)の古い時代の古墳から横穴式石室(若王子22号墳)の新しい時代の古墳が見られる。
調査
規模
遺構
- 割竹形木棺直葬
- 横穴式石室
遺物
- 車輪石、
- 勾玉、
- 管玉、
- 臼玉、
- ガラス玉、
- 太刀、
- 鉾、
- 鉄鏃、
- 鎌、
- 鉄斧、
- 土師器、
- 須恵器
築造時期
- 4世紀から6世紀末
被葬者
展示
- 藤枝市郷土博物館・文学館
指定
- 1995年3月20日 県指定/記念物 ・ 史跡
アクセス等
- 名称:若王子古墳群
- 所在地: 静岡県藤枝市若王子字上ノ平1015
- 交通:JR藤枝駅から「しずてつジャストラインバス」中部国道線新静岡行きで11分、バス停「蓮華寺池公園入口」下車、徒歩20分。
参考文献
加美遺跡 ― 2025年02月09日 20:08
加美遺跡(かみいせき)は、大阪府にある弥生時代中期から古墳時代までの複合遺跡である。
概要
遺跡は沖積低地上で範囲は東西900m、南北1200mである。
調査
1942年(昭和17年)に現在の府道大阪港八尾線と大和路線が交差する地点の地下道建設の際に、弥生時代後期の広口壺ならびに古墳時代前期の小型丸底壺が出土して発見された。 1976年に加美東5 丁目で加美小学校の分校(現在の加美東小学校)の建設に伴う発掘調査が大阪市教育委員会・難波宮址顕彰会・長原遺跡調査会により行われ、庄内式期の竪穴建物、多数の溝、井戸などの集落遺構が検出され、銅鏃3 点や鉄剣形銅剣が1 点弥生時代後期末の溝から出土して著名となった。 1984年(昭和59年)の一次調査では加美東6丁目を対象とし、古墳時代初期の集落跡と墓、その下層から弥生時代中期の2基の墓(Y-1号墓・Y-2号墓)が検出された。庄内式土器や布留式土器を伴う大溝や竪穴式住居跡、井戸、土壙、小溝群を伴う集落跡を検出した。 古墳時代後期頃の加美遺跡は生産域とみられている。1984年(昭和5 9年)11月23日早朝、東西両区において調査中の方形周溝墓から出土した土器が盗難にあっていることが判明した。
遺構
- 方形周溝墓、木棺墓、土器棺墓などの墳墓群が発見された。下層から弥生時代後期前半の水田跡、弥生時代中期後半の2基の巨大な墳丘墓が検出された。
弥生時代から古墳時代
- 方形周溝墓
- 掘立柱建物
- 竪穴建物
- 墳丘墓
- 土器棺墓
- 井戸
- 溝
- 土坑
弥生後期
- 土坑
- 柱穴
弥生庄内式併行期
- 木棺直葬(組合式木棺)
古墳時代前期
- 小溝群
- 溝
- 柱穴
- 土器集積
- 土坑
- 河川
古墳時代
- 土坑
- 溝
- 土器棺1
- 水田
- 大溝
- ピット
- 貼石
遺物
弥生時代
- 弥生土器
- 石鏃
- 鉄剣形銅剣1
- 内行花文鏡(鏡片)1
- 碧玉製管玉
- 小型倭製鏡(内行花文鏡Ib)
- 石製鐓
- ガラス製玉
- 小型倭製鏡(鏡片)1
- 小型倭製鏡1
- 銅鏃4、
- 銅釧2、
- 内行花文鏡(銘文なし、破片、1984年発掘)
- 小型倭製鏡(銘文なし、完形8.37cm、1984年発掘、大阪市文化財協会蔵)
- 倭製内行花文鏡(銘文なし、完形、1984年発掘、大阪市文化財協会蔵)、
- 碧玉製管玉
- ガラス製玉
- 鐓
- 弥生土器
- 石庖丁
古墳時代
- 土師器
- 礎板
- 柱材
- 土師器
- 須恵器
- 土師器
- 木製品
- 鉄鎌
- 土師器
- 木製品
- 臼玉
- 木器
時期不明
- 銅鏃2
- 鉄鏃1
階層差の証拠
上層の方形周溝墓は集落跡の北側にあり、小規模な方形周溝墓は集落の周辺に築造されていた。墓主とみられる5号主体部は墓壙の規模が他より大きく、木棺も底板以外はすべて二重であった。共同体首長とその近親者とみられる。
アクセス等
- 名称:加美遺跡
- 所在地:〒547-0002 大阪府大阪市平野区加美東6丁目15
- 交通:JR新加美駅から徒歩8分
参考文献
- 江上波夫(1993)『日本古代史辞典』大和書房
- 田中清美(1985)「大阪府大阪市加美遺跡の調査-弥生時代中期後半の大型墳丘墓を中心に-」『日本考古学年報』37
- 大阪文化財研究所(2015)「加美遺跡発掘調査報告Ⅴ」
國學院大學博物館 ― 2025年02月09日 23:58
國學院大學博物館(こくりつれきしみんぞくはくぶつかん,Kokugakuin University Museum)は東京都渋谷区にある考古学・校史・神道の展示施設である。
概要
1982年(昭和3年)に樋口清之博士によって創設された「考古学標本室」が前身である。2013年(平成25年)に國學院大學博物館が発足した。國學院大學博物館は、日本文化の考究を目的とする建学の精神に基き、「国学と國學院の学問」、「考古学から見た日本列島史」、そして「日本文化と神道」に関する研究・教育事業を主たる使命とする。
展示
- 弥生土器
- 稲作と石器・鉄器
- 土師器と須恵器
- 埴輪
- 舶載鏡と仿製鏡
- 装身具・祭具としての玉
- 古墳時代の武器・武具・馬具
- 飛鳥時代の古墳
- 寺院の出現と瓦の生産
- 古代の土器・陶器
主な収蔵品
- 石枕 姉崎二子塚古墳出土 古墳時代(中期)・5世紀 重要文化財
- 袈裟襷文銅鐸 大岩山遺跡出土 弥生時代(後期)・1世紀
- 縄文土器 鉢
- 縄文土器 注口(壺)
- 縄文土器 壺
- 縄文土器 鉢
- 火焔型土器 - 縄文時代
- 山吹双鳥鏡
- 秋草双鳥鏡
- 三角縁三神三獣鏡 - 古墳時代前期
- 龍図鏡
- 蓬莱鏡
- 石枕
施設
- 敷地面積:
- 建築面積:
- 展示室 1613.99㎡
- 考古収蔵庫 303.87㎡
- 神道・校史収蔵庫 277.88㎡
- 博物館事務室 162.00㎡
- 展示準備室 81.0㎡
- 撮影室 36.75㎡ ほか
アクセス等
- 正式名称: 國學院大學博物館
- 開館時間 : 午前10時~午後6時(入館は午後5時30分まで)
- 入館料 : 無料
- 休館日 : 不定期(館内保守及び大学の定める休日)
- 所在地 :〒150-8440 東京都渋谷区東4丁目10番28号(國學院大學渋谷キャンパス内)
- 交通 :JR渋谷駅東口より徒歩約13分
- 特記事項:
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