赤妻古墳 ― 2025年04月28日 00:13
赤妻古墳(あかづまこふん)は山口県山口市にある古墳時代の円墳である。 「小丸山」、「すくも塚」ともいう。通称「小丸山赤妻古墳」ともいう。
概要
山口県の山口盆地の北縁に位置し、標高約20mの舌状丘陵の先端部に立地する。古墳はすでに消滅しているが、山口博物館敷地内に出土した石棺が保存されている。
調査
1897年(明治30年)3月と4月、墳丘の頂部から箱式石棺(組合式石棺)各1基が発掘され、神獣鏡1面・巴形銅器2個のほか、甲冑・鉄鏃・鉄刀・鉄鉾・鉄斧・巴型銅器、有孔貝製品などが出土したと伝わる。箱式石棺は分厚い板石を使う大きく重厚な石棺である。 1908年(明治41年)8月、同じ墳頂部から舟形石棺が発掘された。棺内には、頭位を東に向けた人骨とともに、位至三公鏡1面・倭製内行花文鏡1面・捩文鏡1面のほか、硬玉製勾玉・瑪瑙製勾玉・瑪瑙製丸玉・ガラス製小玉・ガラス製切子玉・碧玉製管玉・鉄製針・櫛などが出土したと記録される。遺物の多くは散逸したが、銅鏡ほか一部は東京国立博物館と山口県立山口博物館に保管される。赤妻古墳出土の舟型石棺は山口県有形文化財(美術工芸品)に指定される。山口県内の出土例としては唯一の舟形石棺である。古墳時代中期に山口盆地 を統率していたと推定される巨大な女性首長の棺である。全長231cm、蓋に4、身に2対の 縄掛突起がある。東京国立博物館に瑪瑙勾玉、ガラス小玉、巴形銅器が保管される。
規模
遺構
- 墳丘
- 周濠
遺物
- 舟型石棺
- 銅鏡
- 円筒埴輪
- 形象埴輪
- 須恵器
指定
- 平成5年5月14日 山口県有形文化財(美術工芸品)
被葬者
築造時期
- 古墳時代中期
展示
- 山口博物館
- 東京国立博物館
アクセス等
- 名称:赤妻古墳
- 所在地:山口県山口市赤妻町73
- 交通:
参考文献
- 山口市教育委員会(2003)『山口市埋蔵文化財調査報告81:赤妻遺跡』山口市教育委員会
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