廻間遺跡 ― 2025年07月24日 00:41
廻間遺跡(はさまいせき)は愛知県清須市にある古墳時代を中心とする遺跡である。
概要
廻間遺跡は清須市の東側を南北に流れる五条川右岸の沖積低地に立地する。標高は現況3m 前後である。古墳時代初頭を中心とする居住域(北側)と墓域(南側)が展開する。 1980年(昭和55年)3月に愛知県教育委員会が実施した環状2号線建設予定地内の水道 管埋設工事に伴う発掘調査により発見された遺跡である。 1985年(昭和60年)から1986年(昭和61年)にかけて発掘調査がされ、古墳時代初頭の竪穴住居群と墳丘墓群によって構成されることが判明した。器種は量的比率の高いものから甕・高杯・壷・鉢・器台・その他の6種類であった。竪穴住居跡75棟、墳丘墓6基などが検出されている。廻間式土器の標識遺跡として知られる。 墳丘墓のうち1基は3世紀初頭に築かれた約25mの前方後方型である。 最も古い「Ⅰ式」土器は3世紀初頭から半ばに位置付けられる。出土土器の編年から、廻間遺跡の築造年代は3世紀の初頭頃、200年~220年頃と考えられている。 赤塚次郎は廻間遺跡を狗奴国の遺跡として提唱する。
S字甕
S字甕(字状口縁台付甕)が出土したことで知られる。濃尾平野低地部で、廻間様式とともに誕生した台付甕である。口縁部は「S」字状に屈曲し、土器の厚さを薄くし、器面に刷毛目を入れて熱効率を高めているため、従来の甕と比べると短時間の煮沸ができる。廻間遺跡は他の遺跡に比べ、S字甕の出土量が多く、出現期のS字甕比率も高いのが特徴である。
遺構
- 竪穴住居
- 掘立柱建物
- 土坑
- 溝
- 井戸
- 墳墓
- 畝状遺構
遺物
- 甕
- 高坏
- 壺
- 鉢
- 器台
- 砥石
展示施設
指定
考察
アクセス等
- 名称: 廻間遺跡
- 所在地: 愛知県清須市廻間3丁目
- 交通:
参考文献
- 愛知県埋蔵文化財センター(1990)「廻間遺跡」
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