下池山古墳 ― 2025年09月29日 00:02
下池山古墳(しもいけやまこふん)は奈良県天理市にある古墳時代の前方後円墳である。
概要
西殿塚古墳や東殿塚古墳から西へ延びる丘陵が北に枝分かれした丘陵の先端に位置する墳長115mの古墳である。2段築成で葺石・周濠がある。西殿塚古墳の西側にある。北側と東側の水田や溜池に周壕がある。道路を挟んだ北側に西ノ塚古墳がある。
調査
1995年(平成7年)と1996年(平成8年)に調査が行われ、後方部で埋葬施設が検出された。内法の長さ6.8m、幅0.9~1.3m、高さ1.8m前後の合掌形をする竪穴式石室で、内部には全長約6mのコウヤマキ製の割竹形木棺や、鉄製品が出土した。石室の北西側に小石室が発見され、その内部からは大形の内行花文鏡が見つかった。石室の周囲の粘土は赤土を使用し、数種類の色の布を粘土の間に敷きこみ、排水施設に多量の河原石を用いる。 天理市農林課による溜め池整備事業に係る土木工事が計画されたため、事前調査として古墳北側外堤部の状況確認を目的とした調査を平成2年1月23日開始し、同年2月3日終了した。下池山古墳と西ノ山古墳は編年研究の成果から西ノ山古墳が後出するが、当然両古墳が外堤部を接していたか、あるいは共有していた時期があったとみられた。
規模
- 形状 前方後方墳
- 墳長 115m
- 後円部 径1辺53m 高(西側)11m
- 前方部 幅25m 長60m 高(西側)6m
埴輪 確認されず
葺石 あり
遺構
- 室・槨 竪穴式石槨
- 棺 刳抜式木棺(外面は割竹形)
遺物
- 内行花文鏡1(超大型)
- 碧玉製石釧1
- 勾玉
- ガラス小玉
- 鉄剣
- 鉄刀
- 鉄槍
- 釶
- 勾玉や朱が出土したと言い伝えられえている
築造時期
- 古墳時代前期前半(3世紀後半)
展示
- 県立橿原考古学研究所付属博物館で常設展示
考察
指定
- 平成26年10月6日、国史跡に指定
アクセス等
- 名称 :下池山古墳
- 所在地 :奈良県天理市成願寺町川下り
- 交 通 :JR桜井線「長柄駅」より徒歩16分(1.4km)
参考文献
- 天理市教育委員(1993)「天理市埋蔵文化財調査概報」
- 奈良県立橿原考古学研究所編(2008)「下池山古墳の研究」奈良県立橿原考古学研究所
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