金隈遺跡 ― 2025年12月09日 00:48
金隈遺跡(かねのくまいせき)は福岡県福岡市にある弥生時代の遺跡である。
概要
福岡市の南東で、標高30m前後の地点に位置する。弥生時代前期中頃から後期前半に渡る約400年間の弥生時代の墓地である。
調査
昭和43年の春、桃畑の開墾中に遺跡が発見された。昭和44年から45年に遺跡を発掘調査し、弥生時代の前期後半から後期初頭にかけての甕棺墓348基、土壙墓119基、石棺墓2基が確認された。埋葬された遺体の骨の保存状態が良好であり、形質人類学上資料として意義あるものと認められた。発掘指導には岡崎敬九州大学教授(当時)、西谷正九州大学助教授(当時)も当たった。甕棺墓から136体の人骨が出土した。平均身長は、男性が162.7cm、女性が151.3cmである。祭祀遺物は193号甕棺の上面に高杯と円筒形の器台がみられる。土墳墓の発生は板付ⅡⅠ式期であった。 甕棺は成人用134基に対して、小児用は214基である。当時の幼児死亡率は高かったと推測される。金隈の弥生人は男女とも中頭型に属しており、土井ヶ浜の遺骨に近似する。
遺構
- 甕棺墓203
- 土壙墓92
遺物
- 弥生土器
- 人骨
展示
- 金隈遺跡甕棺展示館
指定
- 昭和47年5月17日 国指定史跡
アクセス等
- 名称:金隈遺跡
- 所在地:福岡市博多区金の隈一丁目39番52号
- 交通:西鉄バス「金隈遺跡前」から徒歩約5分
参考文献
- 福岡市教育委員会(1985)「史跡金隈遺跡」福岡市埋蔵文化財発掘調査報告書第123号
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