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姥山貝塚2026年01月22日 00:47

姥山貝塚(うばやまかいづか)姥山貝塚(うばやまかいづか)は、千葉県市川市に所在する縄文時代の貝塚であり、日本考古学史においてきわめて重要な位置を占める遺跡である。

概要

縄文時代中期から後期にかけて継続的に形成された馬蹄形貝塚で、規模は長径約130m、短径約120mに及ぶ。現在は国の史跡に指定され、「姥山貝塚公園」として保存・公開されている。なお、山武市に所在する「山武姥山貝塚」とは別遺跡である。*調査 慶応義塾大学により5回の調査が行われた。ハマグリを主体とし、アサリ、シオフキガイなど30種以上の貝のほか、土器、人骨なども多数出土している。人骨はl供1体、成人女性2体、成人男性2体の計5体が発掘され、貴重な資料となった。土器は阿玉台式、加曽利EI式、堀之内I式、加曽利BI式など縄文時代中期から後期の土器が発掘された。 現在までに竪穴住居跡39か所、人骨143体が検出されている。

調査の経過

本遺跡が考古学史上著名となった最大の契機は、1926年(大正15年)に東京帝国大学によって実施された発掘調査である。この調査において、縄文時代の竪穴住居跡が良好な保存状態で検出され、床面の掘り込みや柱配置といった構造が明瞭に確認された。これは、従来文献や推測に依る部分の大きかった竪穴住居像を、実証的に明らかにした最初期の事例として、日本考古学の住居研究に画期をもたらした。

この竪穴住居跡内からは、折り重なるような状態で5体の人骨が発見された。内訳は成人男性2体、成人女性2体、子ども1体とされ、同一住居内に複数個体が埋葬されていた点は、当時の埋葬観念や家族構成を考える上で大きな注目を集めた。長らくこれらは家族的集団と解釈されてきたが、近年、ミトコンドリアDNA分析が行われた結果、5体の間に母系の直接的血縁関係は確認されなかったことが報告されている(2024年3月「姥山貝塚の5体の人骨の謎に迫る」シンポジウム)。この成果は、縄文社会における居住単位や埋葬単位を再考する契機となり、研究史上の新たな転換点を示すものと評価されている。 その後、姥山貝塚では慶應義塾大学を中心として計5回にわたる調査が実施され、遺跡の全体像が次第に明らかにされてきた。これまでに竪穴住居跡39か所が確認されており、人骨は貝塚全体で計143体が検出されている。1926年に発見された5体の人骨が学史的に特に著名である一方、後続調査によって、姥山貝塚が長期間にわたり反復的に利用された大規模集落遺跡であることが裏付けられた。

考察

貝塚の内容は海棲貝類を主体とし、ハマグリを中心に、アサリ、シオフキガイなど30種以上の貝類が確認されている。これは縄文海進期以降の東京湾奥部の環境を反映するものであり、縄文時代の生業研究の重要資料になっている。土器については、阿玉台式、加曽利EⅠ式、堀之内Ⅰ式、加曽利BⅠ式など、縄文時代中期から後期にかけての型式が出土しており、遺跡の編年的位置づけを明確にしている。 松永 博司は、姥山遺跡の教材化の可能性を指摘しており、中学校社会の歴史教育に活用することができると実践例を提示した。

このように姥山貝塚は、①竪穴住居研究の出発点、②縄文人骨研究の基準資料、③貝塚・集落・埋葬の関係を考える総合的遺跡として、日本考古学の形成と発展を支えてきた遺跡である。同時に、近年の自然科学的分析によって、従来の理解が更新されつつある点においても、現在進行形の研究対象として重要性を保ち続けている。

遺構

  • 土坑
  • 住居

遺物

  • 縄文後期土器
  • 敲石
  • 貝殻
  • 人骨
  • 獣骨
  • 鯨骨

展示

  • 市川市考古博物館

考察

指定

  • 1967年8月17日 国の史跡指定

アクセス等 

  • 名称  :姥山貝塚
  • 所在地 :千葉県市川市柏井町1丁目1212
  • 交 通 :JR武蔵野線船橋法典駅より市川市コミュニティバス(循環ルート右回り)にて、「姥山貝塚公園」下車 徒歩5分

参考文献

  1. 「縄文のあの5人、家族ではなかった?」朝日新聞、2024年3月7日
  2. 松永 博司()「博物館資料の効果的な活用方法と指導の汎用化をめざして」国立歴史民俗博物館、歴博の展示や資料を活用した授業実践例

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