鷹山黒曜石原産地遺跡群 ― 2024年12月07日 00:26
鷹山黒曜石原産地遺跡群(たかやまこくようせきげんさんちいせきぐん)は長野県小県郡長和町に所在する旧石器時代から縄文時代にかけての黒曜石を掘り出した採掘場および加工場の遺跡である。「星糞峠黒曜石原産地遺跡」[鷹山遺跡群」ともいう。
概要
遺跡は霧ヶ峰火山帯の東北端に位置する。八ケ岳から霧ケ峰の一帯は、約87万年前の噴火でできた本州最大規模の黒曜石の原産地である。星糞峠の黒耀石は割れ口が鋭く加工しやすい。黒耀石は鋭利な刃先を有する石器の材料となる。星糞峠は和田峠と並ぶ黒耀石の原産地として知られている。1991年に着手した第1号採掘址の調査で山体斜面に多数残されたクレーター状の窪地が、堅坑掘削を伴う縄文時代の黒曜石地下採掘址であることを確認した。第1号採掘址のトレンチ壁面における土層堆積は、①表土・黒色土、②採掘排土、③ラミナ状堆積土、④崩落土、⑤「鉱床」に分けられる。 黒耀石の石槍を集中的につくっていた中央 の集落跡では、18,000 年前の石焼きバーベキューの跡が発見された。地下5mに土砂崩れ防止の木柵が当時のままに残されていた。周囲には木製の掘り具や、採掘の無事を祈った漆塗りのお守りも発見されている。
時代別の採掘の特徴
旧石器時代では噴火口から落下した黒曜石を川で拾い集め、川沿いの台地の集落で加工した。縄文時代に入ると土砂崩れがなくなり、黒曜石を集めにくくなったため、山に登り穴を掘って採掘し、集落に持ち帰って加工した。縄文人は黒曜石を採掘するときに、掘った土を穴の周りに積み重ねた。星糞峠から虫倉山の斜面で、窪みが195個所発見されている。
遺構
- 黒曜石採掘遺構
遺物
- 加曽利B1式土器+
- 条痕文系土器
- 多縄文系土器
- 加曽利B式土器
- 敲石
- 台石
- 石錐
展示
- 黒耀石鉱山展示室 星くそ館
- 黒耀石体験ミュージアム
指定
考察
アクセス
- 名称:鷹山黒曜石原産地遺跡群
- 所在地:長野県小県郡長和町
- 交通:
参考文献
- 長和町教育委員会・鷹山遺跡群調査団(2007)「長野県小県郡長和町鷹山遺跡群2007年度調査概報」
- 及川穣(2012)「旧石器時代後半期における黒曜石原産地開発の一様相」『資源環境と人類』 第2号,pp.15-35
最近のコメント