麻生田大橋遺跡 ― 2024年12月11日 00:20
麻生田大橋遺跡(あそうだおおばしいせき)は愛知県豊橋市にある縄文時代晩期から弥生時代にかけての複合遺跡である。
概要
遺跡は昭和11年、12年頃に発見された。大量の土器棺墓が発見されたことで有名である。弥生時代中期の遺構から6基の方形周溝墓が発見されている。東名高速道路豊川インターチェンジの500m南を中心として、南北120m、東西130mの規模である。麻生田当月津遺跡と合わせて、麻生田遺跡と総称されていた。しかし、麻生田当月津遺跡では縄文時代中期中葉から弥生時代前期の遺物が検出されるのに対し、麻生田大橋遺跡では縄文時代晩期中葉から弥生時代前期の遺物が検出され、活動時代が異なるため、異なる別の遺跡と認識されるようになった。
土器種
麻生田大橋遺跡から出土した縄文時代晩期後葉から弥生時代前期にかけての時期の土器には、(1)探鉢形土器、(2)甕形土器、(3)壷形土器、(4)鉢形土器、(5)浅鉢形土器、(6)注口土器の6種類の器種があるとされる。
遺構
縄文時代
- 土器棺墓
- 土坑
- 集石
- 溝
遺物
縄文時代
- 土器棺
- 石錘
- 石剣
- 石刀
- 石鏃
- 石斧
- 凹石
- 石棒
- 磨石
- 石皿
- 敲石
- 砥石
- 玉
弥生時代
- 土偶
- 弥生土器
展示施設
- 豊川市桜ヶ丘ミュージアム
指定
考察
アクセス等
- 名称: 麻生田大橋遺跡
- 所在地: 愛知県豊川市麻生田町大橋
- 交通:
参考文献
- 財団法人愛知県埋蔵文化財センター(1991)「麻生田大橋遺跡」愛知県埋蔵文化財センター調査報告書第21集
纒向矢塚古墳 ― 2024年12月11日 23:55
纒向矢塚古墳(まきむくやづかこふん)は奈良県桜井市にある古墳時代の前方後円墳である。
概要
纒向型前方後円墳である。後円部はやや東西に長い楕円形である。周濠は後円部のみで地形に合わせて前方部に向かう途中で途切れ、後円部南側では堀削直後にブロック状の盛土が築かれる。後円部径と前方部長の比率が2:1となる「纒向型前方後円墳」の典型例である。
調査
第1次調査は1971年(昭和46年)、導水溝と周濠の接続部付近から庄内3式期と推測される土器群が出土する。第3次調査は2007年(平成19年)、古墳の範囲を確認するための調査。前方部前面側から周濠外側の地山の位置、削平を受けている可能性があるものの、前方部墳丘との距離から本来の長さを考えると、纒向型前方後円墳の形式であることが確認された。周濠部の発掘調査において、幅23mの濠が確認されている。
規模
- 墳長 96m
- 後円部 高7m
- 前方部 幅40m 長32m 高2m
- 葺石 - あり
- 周濠 - あり(幅20m、深さ1m)。
遺構
埋葬施設は未調査である。墳頂に板石が散乱しており、竪穴式石室の存在が想定されている。
出土品
土器は庄内2式から3式以降の土師器である。布留式の土器はない。
築造時期
- 古墳時代前期初頭(3世紀中頃以前)
展示
指定
- 2006年1月26日 - 纒向古墳群の一つとして国の史跡に指定された。
アクセス等
- 名称:纒向矢塚古墳
- 所在地:桜井市東田町字矢塚
- 交通:JR巻向駅から徒歩12分
参考文献
- 江上波夫(1993)『日本古代史辞典』大和書房
- 桜井市教育委員会(2009)『平成19年度国庫補助により発掘調査報告書』桜井市教育委員会
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