及川伊勢宮遺跡 ― 2023年06月04日 10:30
及川伊勢宮遺跡(おいがわいせみやいせき)は神奈川県厚木市にある縄文時代から近世まで至る遺跡である。
概要
中津川と萩野川にはさまれた標高30mの台地上にある遺跡である。前方後円墳、方墳、地下式坑が見つかった。 1号墳は当初は円墳とみられていたが、2023年1月ごろに前方後円墳の後円部と判明した。
調査
国土交通省の国道246バイパス厚木秦野道路の建設事業に伴い、2022年から発掘調査を行う。かながわ考古学財団が発掘を進める。
遺構
1号墳は全長37mの前方後円墳である。周濠を含めると45mの規模である。後円部は直径21m、くびれ部は幅6m。前方部先端は約15m。2号墳は1辺約14mの方墳である。3号墳も方墳である。4号墳は円墳。 地下式坑は13基がみつかった。地下式坑は地下室のことであるが、これは13世紀頃の築造である。地下式坑は地下に入るための縦坑と横坑からなる。地下式坑の目的には3説がある。(1)食料の貯蔵庫、(2)埋葬施設、(3)宗教施設である。地下式坑から遺物はあまり出ないので、用途は不明である。今回板碑片が1点見つかった。「○和4年2月」と判読できる。 近世と中世の塚各1基、周辺で縄文時代の住居跡1基。
遺物
- 小型丸底壺 – 2号墳 5世紀初めころの土器、祭祀に使用する。
見学会
- 2023年5月20日 - 1350名が来場する。見学は2回。10:00~12:00(受付9:30~)、13:30~15:00(受付13:00~)
時期
- 1号墳の建造は3世紀中頃(古墳時代前期)または4世紀初頭〜中期初頭
- 2号墳は「古墳時代前期(~中期初頭)」とされる。
指定
アクセス等
- 名称:及川伊勢宮遺跡
- 所在地:〒243-0212 神奈川県厚木市及川2丁目18−28
- 交通:小田急線「本厚木」駅から神奈川中央交通で上荻野車庫前行乗車「松蓮寺」バス停下車、北側に徒歩5分
参考文献
- 「厚木で4基目前方後円墳」タウンニュース,2023年5月19日
- 「注目の古墳に1,350人」タウンニュース、2023年6月2日
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://ancient-history.asablo.jp/blog/2023/06/04/9591814/tb
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。