芝山古墳 ― 2023年06月04日 11:55
芝山古墳(しばやままこふん)は大阪府東大阪市にある古墳時代の前方後円墳である。現在は失われている。
概要
生駒山から派生した通称「坊主ぼうず山」の中腹、標高100mの地点にある。 日本の考古学の父とも呼ばれるガウランド(William Gowland (1842-1922))は日本にいた16年間に400以上の古墳を調査し、当時の貴重な写真や測量結果を残している。さらに未盗掘だった芝山古墳の調査発掘を明治20年(1887)頃実施した。この芝山古墳から出土した出土品を中心に大英博物館に約1000点の出土品を寄贈した。それがガウランド・コレクションである。馬具、須恵器など多数の出土品が大英博物館にコレクションとして納められている。日本の古墳出土品としては西洋で最大である。 NHKから「知られざる大英博物館」で2012年7月 8日 (日)に放送された。2体の石棺があって、あいだに高坏が置かれていたとされる。
調査
東大阪市にあったが1961年(昭和37年)宅地造成により破壊された。墳丘はほぼ南北に主軸をおき、全長30m、後円部の直径17m、前方部の長さ11m、幅11m。主体部は後円部に築かれた横穴式石室で、玄室の長さ3.8m、幅は奥壁部で3.1m、羨門部は2.4m、高さ3m。羨道は長さ1.8m、幅1m、高さ1.5m。
規模
- 形状 前方後円墳
- 墳長 26m
- 後円部 径17m 高4m
- 前方部 幅11m 長11m 高1m
外表施設
- 円筒埴輪 円筒Ⅴ式
- 葺石 あり
遺構
- 室・槨 横穴式石室(古式、開口方向N-170°-W)
- 棺 木棺
遺物
- 碧玉管玉17
- 碧玉管玉24、
- 滑石?133、
- ガラス丸玉152
- ガラス丸玉639。
- 銀製2、
- 銀製耳環4
- 滑石製紡錘車2。
- 鉄剣1、
- 捩紐状環頭大刀1
- 円頭大刀?1
- 細身6、
- 鉄鏃 不明34(推定長頸鏃)
- 金銅製三輪玉10(棺外か)。
- 金銅製三輪玉10(棺外か)
- 農工具:刀子1
- 斧1・
- 鑿1。
- 鉄鋲留心葉形杏葉3・
- 鉄地金銅張剣菱形杏葉2
- 鉄地金銅張五角形杏葉?2
- 鉄地金銅張花文付雲珠1
- 鉄地金銅張留金具2・
- 鉄地金銅張鉸具2・
- 鞍金具片?1・
- 鉄地金銅張波状文付飾具一括・
- 辻金具・鈴付青銅製鏡板?1
- 須恵器16(器台1・はそう1・高杯2・杯5・杯蓋4他)(MT15)
- 銅製環状金具1
- 銅地銀象嵌環状金具1
- 鉄製小形環状金具2・
- 金銅製鞭(箸か)2。
築造時期
指定
アクセス等
- 名称:芝山古墳
- 所在地:大阪府東大阪市東石切町6丁目1
- 交通:近鉄奈良線「石切駅」から徒歩8分。芝山古墳旧跡、説明版は手前。
参考文献
- 江上波夫(1993)『日本古代史辞典』大和書房
- 大塚初重(1982)『古墳辞典』東京堂
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