有田七田前遺跡 ― 2025年06月24日 21:44
有田七田前遺跡(ありた ななたまえ いせき)は福岡県早良区にある縄文時代晩期末の遺跡である。
概要
室見川により形成された早良平野のほぼ中央部に位置する。標高7.5mである。有田小田部遺跡が所在する洪積台地の東南部に当たる。遺跡の東側は民家があり、田畑より一段高い。周辺では牟多田遺跡、鶴町遺跡など夜臼式土器を出土する遺跡が多い。沖積地で多量の刻目突帯文期の遺物が出土している。河道に恒常的な水の供給が途絶え、滞水状態になって遺物が廃棄されたとされている。
調査
出土遺物は土器、土製品、石製品などである。土器の大半は夜臼式土器である。甕形土器I頬、甕形土器Ⅱ類、甕形土器Ⅲ類、甕形土器Ⅳ類が出土した。土製品には紡錘車と土錘がある。石器には石鏃、石斧、石錘、打製石鎌、石包丁、磨製石剣、石槍、片刃礫器、磨石2、砥石などである。 縄文晩期の夜臼式土器の中に朝鮮無文土器が検出された。1985年に調査では遺構として河川・包含層・溝状遺構が検出された。土器は刻目突帯文土器が検出された。
遺構
- 川状遺構
- 溝状遺構
- 包含層
遺物
- 突帯文土器 - 夜臼式土器
- 甕形土器1類
- 甕形土器2類
- 甕形土器3類
- 甕形土器4類
- 鉢形土器2類
- 土製品
- 石鏃
- 石槍
- 石錐
- 石匙
- 石剣
- 石斧
- 柱状片刃石斧
- 蛤刃石斧
- 石包丁
- 屈曲甕
指定
アクセス等
- 名称:有田七田前遺跡
- 所在地:福岡県福岡市早良区有田字七田前
- 交通:福岡市地下鉄室見駅から徒歩32分
参考文献
- 福岡市教育委員会(1983)『福岡市埋蔵文化財調査報告書95:有田七田前遺跡』福岡市教育委員会
- 藤尾慎一郎(1987)「福岡市早良区有田七田前遺跡一九八五年度発掘調査」九州文化史研究所紀要 32,pp.73-126
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://ancient-history.asablo.jp/blog/2025/06/24/9784630/tb
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。