無文土器 ― 2025年04月16日 00:11
無文土器(むもんどき)は文様のない土器をいう。
概要
一般には朝鮮半島の無文土器をいうが、日本でも無文土器は見られる。 関東地方では縄文時代早期の撚糸文土器群と沈線文土器群の間を占める時期に無文土器がの形式が行われていた。茨城県花輪台貝塚で初めて形式として独立したことが示され、神奈川県平塚貝塚により年代的位置が定められた。神奈川県平根山遺跡で沈線文土器との形式学的検討がされた。 大平山元遺跡の土器は、炭化物の放射性炭素年代測定により、紀元前13,000年頃と見られているが、古い特徴を持つ土器片は、縄による施文や貼り付けなどの装飾がない無文土器であった。縄文時代草創期の最古の土器は無文土器で、その後、隆起線文土器、爪形文土器と変遷したとされる。 日本海沿岸における無文土器系土器の拡がりが明らかになり、日本海交流に接続する日韓交流の姿が見えてきた。
出土例
- 無文土器 大平山元遺跡、青森県東津軽郡外ヶ浜町、縄文時代草創期
- 無文土器 隈・西小田遺跡、福岡県筑紫野市、朝鮮半島系無文土器
参考文献
- 森貴教、山崎賴人(2023)「長岡市大武遺跡出土の無文土器系土器について」新潟考古 第34号
- 根岸洋・福田正宏(2022)「軽海峡周辺における縄文早期初頭の無文土器群」東京大学考古学研究室
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