Bing
PVアクセスランキング にほんブログ村

飛鳥水落遺跡2025年05月27日 00:57

飛鳥水落遺跡(あすかみずおちいせき)は奈良県明日香村にある飛鳥時代の日本初の漏刻遺跡である。

概要

飛鳥盆地の南北の中央にあり、飛鳥川の右岸の川岸で、石神遺跡の南に位置する。基壇外装、地下工法をもつ礎石建物の内部に水利用の施設を埋設した他に類例のない遺構である。漏刻とは水時計である。建物基壇は一辺約22.5メートル、高さ約1メートルの方形である。 楼状建物は1辺11mの四間四方の正方形建物である。日本書紀660年に中大兄皇子が日本で最初に造った漏刻台の遺跡と見られる。

調査

1972年(昭和47年)の民家の新築に伴う調査(第1次調査)で、貼石遺構を持つ大規模な建物基壇が見つかった。史跡指定に伴い、1981年から全面発掘が行われ、遺跡の構造、創建年代、特徴、用途が判明した。発見した遺構は正方形の基壇を持つ大形楼状建物で、基壇と化粧、楼状建物と一体で作られた水利用の諸施設、周囲に建築された四棟以上の掘立柱建物、掘立柱の塀、建物周囲の石敷き、建物の周囲は四方を隅部が角楼となった長廊状建物が囲むなど飛鳥の宮殿施設であり、その規模と内容は特筆すべきものである。

漏刻遺跡

建物の中心には花崗岩切石の台石の上に2つの黒漆塗りの水槽が据えられる。小型水槽は内法37cm四方で、建物の北寄り中央に位置する。深さ1mで、建物内に口を開ける。水槽の東に貼石溝の下を抜けて建物中央に水を導く木樋と暗渠があり、その水をせき止める桝、木樋ないの水をくみ上げる銅管がある。小型水槽は時刻目盛を刻んだ箭を浮かべる受水槽である。楼状建物は二階建てで、下層に漏刻、上階に鐘や鼓を設置して飛鳥に時を知らせたと思われる。時刻、天文、暦、占いの仕事を担当する律令制の陰陽寮に当たる役所と見られる。

遺構

  • 礎石遺物 1
  • 掘立柱建物 3
  • 塀 1
  • 漆塗木箱 2
  • 木樋暗渠 8
  • 枡状遺構 1
  • 小銅管 1
  • 堀込地業 1
  • 地中梁 1

遺物

  • 土師器
  • 須恵器
  • 鉄製品(鉄釘、六花形飾金具など)
  • 銅製品(銅釘、小銅管、大銅管など)
  • 木樋
  • 鋳造関係品

考察

展示

指定

  • 1976年(昭和51年)2月20日 - 国指定史跡

所在地等

  • 名称: 飛鳥水落遺跡
  • 所在地:奈良県高市郡明日香村大字飛鳥
  • 交通: 近鉄「橿原神宮前」駅東口または「飛鳥」駅より奈良交通明日香周遊バス乗車。「飛鳥」下車3分。

参考文献

  1. 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究(1982)「史跡飛鳥水落遺跡」