Bing
PVアクセスランキング にほんブログ村

彦崎貝塚2025年12月22日 00:32

彦崎貝塚(ひこざきかいづか)は、岡山市にある縄文時代前期から晩期にかけての貝塚である。

概要

遺跡の三方は山に囲まれており、旧児島湾の南岸に所在する。旧児島湾岸は、西日本屈指の貝塚密集地域として著名である。縄文時代前期及び後期の標識となる「彦崎式土器」が出土している標識遺跡としても全国的に広く知られた遺跡である。標高約6mの小さな丘陵上にある。縄文前期後半の彦崎Zi式期に最大規模の貝塚を形成した。他の遺跡と比較できる精度の高い基礎データを得ている。

調査

1948年5月30日、31日に坂詰仲男、平田英文、仁部野藤樹による試掘が行われた。縄文時代前期の盤状集石が検出された。その成果を受け、第1回の発掘調査として、東京大学人類学教室の鈴木尚、坂詰仲男、中島寿雄、広島大学池田次郎、岡山清心学園平田英文らによる調査が行われた。縄文人骨8体、土器、石器、骨角器等を検出した。

岡山市教育委員会(旧灘崎町教育委員会)が平成15年から平成18年度に実施した史跡指定に向けた範囲確認調査では、南北100m、東西80mに及ぶ縄文時代前期の貝塚を検出した。 縄文時代前期から後期に渡る遺構、遺物が出土し、時期ごとの集落の変遷を確認できる資料を得られた。同一地点に重層的に形成された厚さ1.7mの貝層が確認された。25体の屈葬埋葬人骨、丘陵先端部の低湿地部でドングリ貯蔵穴が確認された。 大規模で遺存状態のよい遺跡として知られる。

放射性炭素年代測定

資料1(炭化物・材)と資料2(生試料・材)の年代測定を行った。資料1はBC18,900(95 .4 %)からBC18,250であった。最終氷期の最寒冷期(旧石器時代)である。資料2はBC1390(95 .4 %)BC1120であった。こちらは縄文時代後期後葉であろう。彦崎KⅡ式の出土層と同じなので、土器編年と一致する。

遺構

  • 土壙墓
  • 炉址
  • 貯蔵穴
  • 柱穴
  • 動物遺存体埋納遺

遺物

  • 縄文土器
  • 石器
  • 骨角器
  • 貝製品
  • 土製品
  • 動物遺存体

展示

考察

指定

  • 2008年3月28日  国史跡に指定

アクセス等 

  • 名称  :彦崎貝塚
  • 所在地 :岡山県岡山市灘崎町彦崎2994
  • 交 通 :JR彦崎駅から徒歩11分(800m)

参考文献

  1. 岡山市教育委員会文化財課(2007)『彦崎貝塚』岡山市教育委員会
  2. 岡山市教育委員会(2006)『彦崎貝塚 範囲確認調査報告書』

赤山陣屋跡遺跡2025年12月22日 23:40

赤山陣屋跡遺跡(あかやまじんやあといせき)は、埼玉県川口市にある縄文時代の遺跡である。

概要

赤山陣屋跡遺跡は東を綾瀬川、西を芝川にはさまれる谷地形が発達した大宮台地の最南端にある鳩ヶ谷支台に立地する。遺跡周辺は各水系への分水嶺となっている。縄文時代のトチの実の加⼯場であったと推察される「トチの実加工場跡」が検出された。西側低湿地は綾瀬川へつづく浸食谷の奥に位置する。

調査

1980年代前半,東京外かく環状道路の開発に伴う調査により、「台地平坦面-斜面-低湿」が横断的に調査され、縄文時代草創期から晩期にわたる遺構や遺物が検出された(宮内慶介、小林竜太(2021))。縄文時代後期末葉から晩期中葉の安行式期に西側低湿地東側において「トチの実加工場跡」や「板囲い遺構」などの木組遺構が作られた。「トチの実加工場跡」遺構は、長軸9.0m,最大幅2.4m,最小幅1.9mの長方形の木組遺構である。木組遺構に近接して人為的に破砕されたトチノキの種皮が集積した「トチ塚」が2基検出された。遺構内および周辺から大型粗製土器が大量に出土し、さらに堅果類の加工具と考えられる磨石や叩石、台石などが出土した。

水場遺構

水場遺構は赤山陣屋跡遺跡の発掘調査を最初として、東日本を中心に多くの確認事例が報告されている。渡辺誠(1975)は用語の統一のため水場遺構を「アク抜きなどを主とする植物質食料の処理・加工の場であり、台所的な場所である」と再定義した。江原英(1996)は寺野東遺跡をもとに、水場遺構の形態を(1)木を組んで造っているものをA類、(2)谷への人為的な造作によるものをB類、(3)谷へかかる斜面を形成して谷の流水を利用するものをC類に分け、さらにA類を細分化して4分類とした。佐々木由香(2000)は堅果類の加工処理に限定されない多様な低地利用の存在を指摘し、単に堅果類の加工処理の場と理解されてきた「水場遺構」を「水場空間」・「水場施設」・「水場遺物」という3レベルに分類し、再定義した。

遺構

縄文

  • 土坑
  • 柱穴
  • 炉3
  • 集石1
  • 建物

遺物

旧石器時代

  • ナイフ形石器
  • スクレイパー
  • ナイフ形石器
  • 国府型ナイフ形石器
  • 槍先形尖頭器
  • 有茎尖頭器
  • 敲石
  • 礫器
  • 剥片
  • 石核
  • 細部調整のある剥片
  • 尖頭器状石器
  • 磨石
  • いも石

縄文時代

  • 縄文土器
    • 条痕文系土器
    • 安行式土器
    • 加曽利E式土器
    • 加曽利B式土器
    • 堀之内式土器
    • 称名寺式土器
    • 勝坂式土器

展示

考察

指定

アクセス等 

  • 名称  :赤山陣屋跡遺跡
  • 所在地 :埼玉県川口市大字赤山字曲輪448
  • 交 通 :

参考文献

  1. 小林政史(2010)「赤山陣屋跡遺跡のナッツ類加工場から出土した縄文晩期深鍋の使い方」
  2. 佐々木由香(2000)「縄文時代の「水場遺構」に関する基礎的研究」『古代』108:pp.93-126
  3. 江原英(1996)「栃木県寺野東遺跡の遺構について『考古学ジャーナル』405、ニューサイエンス社、pp.11-22
  4. 宮内慶介、小林竜太(2021)「埼玉県川口市赤山陣屋跡遺跡の縄文時代後・晩期のトチの実加工場跡」の構造復元」明治大学黒耀石研究センター
  5. 渡辺誠(1975)『縄文時代の植物食』雄山閣