高三潴遺跡 ― 2023年07月10日 23:49
高三潴遺跡(たかみずまいせき)は福岡県久留米市にある弥生時代の遺跡である。
概要
福岡県久留米市の西部にあり、筑後川が形成した沖積平野の標高6mの低台地に位置する。 弥生時代には、南北約750m、東西約950mの大規模な集落が営まれていた。 九州北部における弥生時代後期の代表的な土器、高三潴式土器が発見されたことで有名である。高三潴式土器は屈曲した口縁部と平たい底が特徴である。
発掘調査
幕末頃に著された『筑後将士軍談』に銅剣二口の記述があった。 1970年代には、平川敬治による発掘が行われ、『九州考古学54号』に「筑後高三潴遺跡の検討」が掲載された。 平成26年の発掘調査では約70m2の狭い区域から、弥生時代の溝の一部が検出され、この溝からほぼ完形の小銅鐸が出土した。溝の深さは約1mであった。小銅鐸は福岡県内で11例が出土しているが、筑後での出土は始めてであった。小銅鐸の高さは66cm、正面中央部の下部に半円形の孔が開いている。同時に出土したときの特徴から弥生時代後期に埋没したことが判明した。 溝からは用途不明の木製品と高三潴式土器を含む土器が大量に発見された。
連玉出土
2017年2月16日、久留米市は高三潴遺跡で弥生時代後期(1~2世紀)のガラス装飾品「連玉」が出土したと発表した。糸島市の平原遺跡などで見つかった2例に続く出土であり、国内最古級とされる。商業施設の建設に伴う発掘調査により、弥生時代の後期の甕棺墓から約200連のガラス玉とともに連玉22点が見つかった。直径4mm、厚さ1~2mmの輪状の小玉が重なり、最大7個が連なっていた。 直径1~2㎜の穴に糸を通して首輪や腕輪などとして使われていたとみられる。本来は緑色であるが、風化して乳白色であった。
遺構
- 甕棺墓3
- 石蓋土壙墓1
- 井戸 1基
- 土坑 1基
- 甕棺墓 25基
- 土壙墓 5基
- 石蓋土壙墓 4基
- 石棺墓 8基
- ピット 多数
- 不明遺構 1基
遺物
- 甕棺
- 小銅鐸
- 高三潴式土器
- 銅剣
- 鉄製品
- ガラス製品
- 木製品
- 赤色顔料
指定
アクセス等
- 名称:高三潴遺跡
- 所在地: 福岡県久留米市三潴町高三潴534-1
- 交通:
参考文献
- 久留米市市民文化部文化財保護課(2017)『高三潴遺跡 第5次発掘調査概要報告』久留米市文化財調査報告書378
- 文化庁(2015)『発掘された日本列島 2015』共同通信社
- 2017年2月17日 読売新聞
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