日下ヶ塚古墳 ― 2024年09月24日 00:12
日下ヶ塚古墳(ひさげづかこふん)は茨城県東茨城郡大洗町にある古墳時代の前方後円墳である。「常陸鏡塚古墳」「鏡塚古墳」ともいう。100名墳の一つである。
概要
磯浜古墳群に含まれる古墳である。那珂台地の磯浜支丘の末端で太平洋に面する。墳丘の一部か破壊されている。墳頂に円筒埴輪をめぐらせる。粘土槨は後円部主軸に平行しており、 内法長7.8m、幅は約1mである。木棺はヒノキが用いられ、遺骸は壮年男性であった。
調査
國學院大學大場磐雄博士により、戦後間もない1949年(昭和24年)8月に発掘調査された。後円部墳頂から長さ9mと長大な粘土槨が発見され、鏡や精巧に作られた石製模造品など、東日本では稀有な遺物があり、約4100点が出土した。日下ヶ塚(常陸鏡塚)古墳として3次元測量調査や範囲確認調査が実施されてきた。調査成果は、記念すべき『国学院大学考古学研究報告』の第一冊として刊行された。 後円部墳頂の縁辺を囲繞する円筒形埴輪が出土しているが、葺石は確認されていない。埋葬施設としては、後円部の中央に存在する粘土が知られている。副葬品は内行花文鏡・変形四獣鏡・勾玉・管玉・ガラス小玉・石釧、滑石製模造品(石釧、紡錘車、刀子、斧、ヤリガンナ、ノミ、鎌、手斧)、紡錘車、立花状石製品・直刀・鉄斧・鎌などの鉄製品や竪櫛などが出土しており、古墳時代前期末に位置付けることができる。
規模
- 形状 前方後円墳
- 墳長 105.5m
- 後円部径 径60m 高12m
- 前方部 幅35m 長45.5m 高4.5m
外表施設
- 円筒埴輪 - 円筒
主体部
- 室・槨 粘土槨
- 棺 木棺
遺物
- 【鏡】
- <仿製鏡>変形四獣鏡1
- 内行六花文鏡1
- 【装身具】
- 櫛十数片
- 【玉類】
- <碧玉>管玉23
- <滑石>管玉4・
- 臼玉3989以上
- <ガラス>小玉47
- <その他>ヒスイ勾玉5
- 【石製模造品】
- <装身具>釧6
- <農工具>短冊形斧2・
- 鋤1・
- 手斧16・
- 直刃鎌2・
- 鉇1・
- 鑿1・
- 刀子10
- 紡錘車11・
- 立花形1・
- 勾玉2
- 【武器】
- 直刀1
- 【農工具等】
- 鎌・鍬1・
- 手斧2・
- 刀子10・
- 鉇2
築造時期
- 古墳時代前期末(4世紀後半)
被葬者
展示
指定
- 2020年(令和2年) 国の史跡
考察
アクセス等
- 名称 :日下ヶ塚古墳/常陸鏡塚古墳
- 所在地 :茨城県東茨城郡大洗町磯浜町日下字日下塚
- 交 通 :大洗駅下車約15分。
参考文献
- 大場磐雄(1955)『常陸鏡塚古墳』國學院大學考古学研究報告第1冊
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