瓜郷遺跡 ― 2025年01月20日 00:25
瓜郷遺跡うりごういせき)は愛知県豊橋市にある弥生時代中期から後期の集落遺跡である。低湿地遺跡として特に有名である。
概要
豊川下流の沖積地に立地する弥生時代中期から後期にかけての集落遺跡である。集落は弥生時代中期半ばに定着し、竪穴住居や多くの土壙を築いた。遺跡は当時の砂州上にあり、五様式を示す弥生式土器が包含される。域内に隅丸の矩形又は楕円形の床面をもつ住居の跡がある。木製の各種農具等も出土し、低地性遺跡の特色を示す。 農耕生活のほかに貝塚があり、漁撈と狩猟との生活の痕跡を示すものがある。現地に竪穴住居が一棟復元されている。奈良県の唐古・鍵遺跡や静岡県の登呂遺跡に匹敵する重要な低湿地遺跡として、国指定史跡となる。現地に「史跡瓜郷遺跡石碑」が建つ。
標識
瓜郷式土器は弥生中期の標識遺跡となる。
調査
1936年(昭和11年)の道路拡張工事の際に貝塚が発見され、出土した土器から弥生時代の遺跡と知られた。1947年(昭和22年)から1952年(昭和27年)にかけ5回にわたって瓜郷遺跡調査会による発掘調査が実施された。昭和22年11~12月に第1回目の発掘調査が 行われ、昭和23年4月に第2回目、同年11月に第3回目、昭和24年4月に第4回目、昭和27年10月に第5回目の、発掘調査が行われた。水田跡は発見されなかったが,石包丁や土器・木製農具・骨角器等鍬、踏鋤などの木製農耕具、大陸系の磨製石器など弥生文化を特徴づける遺物が出土した。 住居跡は弥生時代に多く見られる竪穴式ではなく平地式の住居である。低湿地のため掘り込みができなかったのであろう。敷地は長径5.5m、短径3.6mの小判形で柱穴が2つある。
遺構
- 溝
- 土坑
遺物
遺物は土器・石器・骨角器等が多数発見された。土器・石器・骨角など出土品は豊橋市美術博物館に保管される。
- 弥生土器
- 古式土師器
- 木器
- 石器
- 骨角器
- 石包丁
- 木製農具
- 扁平片刃
- 太型蛤刃
指定
- 1953年(昭和28年)11月14日 国の史跡指定
アクセス等
- 名称:瓜郷遺跡
- 所在地:愛知県豊橋市瓜郷町寄道23-2・32-2・32-3
- 交通:豊橋駅からバス15分。JR飯田線下地駅下車徒歩15分
参考文献
- 文化庁(2017)『発掘された日本列島 2017』共同通信社
- 豊橋市教育委員会(2007)『豊橋市埋蔵文化財調査報告書88:瓜郷遺跡4・下五井館址・天王遺跡・宗正遺跡』豊橋市埋蔵文化財調査報告書88
一宮市博物館 ― 2025年01月20日 00:32
一宮市博物館(いちのみやしはくぶつかん)は愛知県一宮市にある一宮市の歴史を紹介する歴史系博物館である。
概要
1987年(昭和62年)11月に開館した。建築設計は内井昭蔵建築設計事務所である。一宮市の歴史、文化遺産などに関する市民の理解と認識を深めるとともに、教育、学術及び文化の発展に寄与することを目的としている。その後、2008年(平成 20 年)から3 回の設計者選定委員会を開催し、プロポーザル方式により株式会社丹青社を一宮市博物館常設展示リニューアル設計者に選定し、2013年(平成 25 年) 8 月に株式会社丹青社と一宮市博物館常設展示リニューアル業務委託契約を締結し、2015年(平成 27 年) 3 月に業務を完了した。常設展を重点化した内容とし、展示替えが可能な空間を増やし、空いたスペースを収蔵品ギャラリーとして活用している。他地域との交流や比較という目線を取り入れることにより、一宮市の地域的特性を示した。
常設展示
展示室1 いちのみや歴史絵巻
縄文時代
- 石鏃 縄文時代、【管理番号】21937
- 縄文土器:浅鉢、【管理番号】22060
- 石鏃 弥生時代、【管理番号】22925
- 縄文土器:注口土器 縄文時代、【管理番号】24376
弥生時代
- 弥生土器:丹塗壺 弥生時代、【管理番号】18915
- 弥生土器:高杯 弥生時代、【管理番号】18925
- 弥生土器:長頸壺、弥生時代、【管理番号】22803
- 弥生土器:台付まり、弥生時代、【管理番号】22806
- 弥生土器:器台、弥生時代、【管理番号】22808
- 弥生土器:丸窓付台付壺、弥生時代、【管理番号】22854
- 弥生土器:器台、弥生時代、【管理番号】24300
- 弥生土器:壺底部(籾痕)、弥生時代、【管理番号】19770
- 弥生土器:手焙り型土器、弥生時代、【管理番号】24375
古墳時代
- 土師器:壺、古墳時代、【管理番号】19817
- 須恵器 平瓶、古墳時代、【管理番号】18396
- 須恵器:有蓋高杯、古墳時代、【管理番号】19707
- 滑石製紡錘車 古墳時代、【管理番号】21224
- 土師器:S字台付甕、古墳時代、【管理番号】21248
- 匂玉 古墳時代、【管理番号】21893
- 石棺 古墳時代、【管理番号】24022
- 須恵器:はそう 古墳時代、【管理番号】24035
- 須恵器:細頸瓶 古墳時代、【管理番号】24058
- 馬具のしおで金具 古墳時代、【管理番号】24142
- 馬具の鉄環 古墳時代、【管理番号】24143
- 方格規矩四神鏡 古墳時代、【管理番号】24374
展示室2-1 自然と暮らす
展示室2-2 人と暮らし
展示室2-3 祈りと文化
- 弥生時代の土器や銅鐸など祭祀に関わる出土品、市内の寺社の宝物など
企画展
いちのみやの文化財
- 令和5年(2023)に愛知県登録文化財となった妙興寺所蔵の木造弁才天坐像、木造南無仏太子立像をはじめとした一宮市内の指定文化財、登録文化財を中心に紹介
- 2024年10月5日(土)~11月17日(日)
- 観覧料(常設展を含む)一般500円
- 織田信長朱印状
- 木造弁才天坐像
- 木造地蔵菩薩立像
- 木造南無仏太子立像
指定
アクセス等
- 名称:一宮市博物館
- 所在地:〒491-0922 愛知県一宮市大和町妙興寺2390
- 休館日: 毎週月曜日(ただし、休日に当たる場合は翌日を休館)、休日の翌日
- 開館時間:午前9時30分から午後5時(なお入館は午後4時30分まで)
- 入館料: 一般 300円
- 交通:名鉄名古屋本線「妙興寺」駅下車南口より徒歩7分
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