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須玖坂本遺跡2025年06月25日 00:20

須玖坂本遺跡(すぐさかもといせき)は福岡県春日市にある弥生時代の遺跡である。

概要

須玖坂本遺跡は春日丘陵と平野部の境目に位置し、南側約130mに奴国王墓と比定される須玖岡本遺跡が位置する。 福岡県の春日丘陵付近は弥生時代に栄えた奴国の中心地と目されている。当時は弥生文化の先進地域であった。弥生中期以降に青銅器生産を行ったとみられる。奴国の官営工房とも言われる。

調査

1次調査の調査区北部で柱痕を有する大型のピットを複数で検出した。削平された竪穴建物の柱穴と見られる。弥生土器とともに多量の青銅器生産関連び遺物が出土した。遺構から中型の石英長石斑岩の石塊や剥片が多数出土した。竪穴建物を使用する青銅器工房があったとみられる。多数の溝と柱穴が出土した。溝は幅50cmで、10m×10mの区画を囲んでいた。石製の鋳型や中空部分を作り出す中子、坩堝、銅滓、貨泉が出土した。石製の鋳型には矛、戈、剣、鏡、鐸、鏃などがある。1・4次調査で出土した1号溝は、南北方向に延びる約46mの大溝であった。銅矛中子片の出土は400以上あるため、銅矛がメインの生産であった。 1号溝から弥生土器と共に、石器、青銅器中型、管玉等が出土した。銅鏃鋳型は長さ33cmで、7個連結した有茎鏃が7列あり、一度に49の銅鏃を生産できる。裏面に2列、4個連結の鋳型があり、一度に8個生産できる。青銅器鋳型は6点がまとまって出土した。石器は打製石器16 点、磨製石器14 点、砥石12 点が出土した。そのほか天秤権と見られる石器が3点出土した。

漢式鏃

青銅製の鏃は横断面が三角形であり、矢柄が鉄製であることから国産ではなく、当時の朝鮮半島に存在した楽浪郡を経由して倭国にもたらされた可能性が高いとされる。漢式鏃は10例が発見されているが、断面が三角形のタイプは5例目である。

遺構

  • 包含層
  • ピット
  • 土坑 1基
  • 溝 6条

遺物

  • 鋳型(筒状銅製品鋳型+銅鏃鋳型+銅矛鋳型+銅鏡鋳型)
  • 弥生土器
  • 銅矛(中子)
  • 弥生土器
  • 土製品
  • 鉄器
  • 玉類
  • 木製品
  • 石器

指定

展示

  • 春日市奴国の丘歴史資料館

考察

アクセス等

  • 名称: 須玖坂本遺跡
  • 所在地:福岡県春日市岡本1-76
  • 交通:

参考文献

  1. 春日市教育委員会(2020)「須玖坂本B遺跡」