吾妻古墳 ― 2025年08月14日 00:12
吾妻古墳(あづまこふん)は、栃木県下都賀郡壬生町にある古墳時代の前方後円墳である。
概要
栃木県最大の古墳である。栃木県の平野部を南北に貫流する小倉川と、黒川、姿川にはさまれた細長い台地上にある前方後円墳で、栃木県における古墳時代後期の代表的な古墳である。墳丘は二段築成で、葺石はない。幅広い基壇があり、前方部に巨大硬質岩の一枚岩でできた凝灰岩製の石室を有する典型的な「下野型古墳」である。保存状態は良好で、全国的にも珍しい石室をもつ古墳である。6世紀末から7世紀初頭の首長墓と推定される。出土品は円筒埴輪の破片など多数ある。壬生城址公園に置かれている玄門石と天井石は、県指定文化財である。石室は一枚岩を刳り貫いて造られた玄門と天井石がある。現在は壬生城址公園内に保存されている。玄室前面の側壁は川原石小口積みである。石室内からの出土遺物には金銅製帯金具やガラス玉、小札などがある。
調査
平成19 年度から平成22 年度まで発掘調査が実施された。平成19 年度は前方部を中心に調査を行った。平成20 年度は、後円部側を中心にトレンチを設定した。平成21 年度は、藤井43 号墳とされている地区、くびれ部、前方部主体部の調査を行った。平成22 年度は、前方部隅角、後円部、前方部の主体部の調査を行った。
規模
- 形状 前方後円墳
- 築成 前方部:2段、後円部:2段
- 墳長 117m
- 後円部径 径72.4m 高8m
- 前方部 幅66m 高7.2m
- 外表施設 円筒埴輪
- 円筒Ⅴ式
- 葺石 なし
遺構
- 前方後円墳
- 室・槨
- 横穴式石室(単室か) - 凝灰岩製石室
- 玄門石
- 天井石
- 周堀
遺物
- 形象埴輪
- 桂甲小札
- 金銅製品
- 挂甲小札
- 須恵器甕口縁部
- 鉄鏃
- 鉄器の破片
- 装飾付大刀銀製責金具
- 金銅製帯金具
- 銀板
- ガラス玉
指定
- 1970年(昭和45年)7月22日 - 国指定史跡
- 2014年(平成26年)1月31日指定 - 県指定文化財 石室部材
展示
アクセス
- 名称:吾妻古墳
- 所在地: 栃木県下都賀郡壬生町藤井吾妻原
- 交 通: JR東北本線「小金井駅」よりバス又はタクシー利用
参考文献
- 栃木県教育委員会(2011)「吾妻古墳」
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