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土坑2025年03月07日 00:23

土坑(どこう)は地面の土を掘り下げた遺構をいう。

概要

土坑には用途により呼び方を貯蔵穴、墓、落とし穴に分けられる。貯蔵穴は掘り込みが浅く、断面の形が袋状のものや平面形状が円形や方形のものがある。、中にドングリなどが格納されている場合がある。 墓は土坑墓といい、葬品や埋葬に伴う遺物があったり、人骨があることもある。 落とし穴は大型で掘り込みも深めである。坑底に逆茂木などの施設を持つことがある。 土坑の用途の区別は、その形状や深さ、出土遺物、堆積土の状況などから判断される。 土坑は英語ではピット(pit)という。日本では小さな穴をピットと呼んでいる。 土坑の中に炭化物、石器、石片、原石などが充填される例がある。

出土例

  • 円形土坑 上総国分僧寺跡の土坑、10世紀末から11世紀前葉 直径1.5メートル未満の円形土抗である。土坑から鉄鏃が発見された。両刃の中央に鎬(しのぎ)を造らない平根鏃と呼ばれるタイプである。矢の用途としては、戦闘や狩猟を中心に考えられがちであるが、儀礼や呪術などにも使われていた。矢が魔除けなどに広く利用されていたことは、『粉河寺縁起』や『彦火々出見尊絵巻』などでも分かる。
  • 南羽鳥中岫1遺跡土坑 土坑の形は円形と楕円形のものがあり、いずれも直径1m前後の大きさである。土坑から出土した遺物に、赤彩された浅鉢形土器、深鉢形土器、石製耳飾、土製耳飾、琥珀製の玉類、蛇紋岩製管玉、石匙、石斧、そして他に類を見ない人頭形土製品がある。

参考文献

  1. 大塚初重(1982)『古墳辞典』東京堂出版

彫器2025年03月07日 00:26

彫器(ちょうき)は狩りに使う槍などを作るための石器製の工具をいう。 「彫刻刀形石器」「彫刻刀」ともいう。

概要

旧石器時代後期から中石器時代に使われた石器である。石器の縁辺または末端に樋状剥離(ひじょうはくり)が見られるものをいう。カミソリの刃のような石刃で、木や骨を削る道具である。彫器に使われる石材は頁岩である。彫器の認定は研究者により分かれる場合がある。 当時の「(石)槍」は骨や角で作られた槍先の側面に溝を彫り、石器を埋め込む植刃槍である。彫器は槍の先端をとがらせたり、柄の部分を加工するために使用する。

再生利用

刃先が使用により鈍くなると、刃先を更新し繰り返し使用した。なまった刃の部分を薄くはぐと、新たにエッジの鋭い刃として再生できる。

分類

彫器には神山型彫器や荒屋型彫器がある。

  1. 彫刀面と彫刀面打面の形状の違いによる分類
  2. 形態による大別分類
  3. 素材石刃および加工部位による細分

出土例

  • 彫器 荒屋遺跡、新潟県長岡市、旧石器時代(後期)・前16000年、東京国立博物館
  • 彫器 神山遺跡、新潟県津南町 、旧石器時代(後期)・前24000年、東京国立博物館

参考文献

  1. 八ケ岳旧石器研究グループ(2003)「シンポジウム日本の細石刃文化」