剪子 ― 2025年05月13日 00:19
剪子(せんし,Scissors)は鋏(はさみ)を意味する。
概要
切る物を2つの金属の刃で挟み、紙や布などを切断するための道具である。正倉院の灯明の芯切り用の鋏は、韓国慶州市の雁鴨池からほぼ同形の鋏が発見されており、国立慶州博物館で展示される。鋏は6世紀の中国の握りばさみが伝来したのが最初とされる。出土品では古墳時代の6世紀の鉄鋏がある。
正倉院
- 白銅剪子 - 燭台の燈芯を切るための鋏である。刃の部分に半輪形の金具がついていたことから、灯明の灯芯切りのための鋏と判明した。材料は青銅(銅68%・錫18%・鉛4%)である。
出土
- 握り鋏 - 千葉県市原城跡(門前地区)出土
- 鉄鋏 - 伝 群馬県高崎市乗附町出土、古墳時代・6世紀、東京国立博物館
- 鉄鋏 - 珠城山古墳出土、古墳時代 6世紀、奈良国立博物館、日本最古の鋏
参考文献
- 岡本誠之(1991)『ものと人間の文化史33 鋏』,法政大学出版局
大清水上遺跡 ― 2025年05月13日 00:22
大清水上遺跡(おおすずかみいせき)は岩手県奥州市にある縄文時代前期後葉の集落遺跡である。
概要
遺跡のある胆沢町は岩手県の南西部に位置する。大清水上遺跡はJR東北本線水沢駅から西へ約20km、岩手県奥州市の胆沢扇状地と呼ばれる扇状地性地形のほぼ扇頂部に位置する。 縄文時代前期後の環状集落である。
調査
2000年から2006年にかけて岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センターが発掘調査したところ、完全な形の環状集落がみつかった。遺構は直径20mの広場を中心として大型住居が放射状に配置されていた。合計72棟の住居がみつかった。多くの土器石器のほか、イチジク型土製品、燕尾形石製品など珍しい遺物が出土した。土器のほとんどは大木5式土器であった。大木4式、大木6式も見られる。
住居跡
大型住居跡から炉跡が1棟から数カ所が見つかった。炉はすべて地床炉である。床面から壁に向かってスロープや階段が作られた。部分的に壁が外側に張り出している。ほとんどの住居は建て替えられている。大型住居の面積最大の物は101号住居の長径16.6m、短径7.7mである。
遺構
- 住居74
- 土坑203
- 落とし穴99
- 埋設土器7
- 焼土14
- 石器集中部1
- 捨て場2
- 竪穴建物
- ピット15
- +集石1
- 焼土3
遺物
- 縄文土器(大木4式+大木5式+大木6式(中期前葉か晩期))
- 土製品(イチジク形土製品1+土玉148+土偶8+耳栓5)
- 石器
- 打製石斧
- 磨製石斧
- 剥片
- 石製品
- 燕尾形石製品2
- 石剣29
- ケツ状耳飾11
- 有孔石製品
考察
展示
- ー
指定
所在地等
- 名称: 大清水上遺跡
- 所在地:岩手県奥州市胆沢区若柳横沢原原
- 交通:
参考文献
- (財)岩手県文化振興事業団埋蔵文化財センター(2006)「大清水上遺跡発掘調査報告書」岩手県文化振興事業団埋蔵文化財調査報告書第475集
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