金銅大合子 ― 2023年06月11日 23:20
金銅大合子(こんどうのだいごうす, Globular Stupa-Shaped Bronze Container)は、相輪塔形の紐をもつ大型の合子である。
概要
球形の胴部のほぼ中央で身と蓋に分かれる構造である。全体に轆轤引きで仕上げられている。鍍金は外面だけでなく、内面や底部まで施される。香を入れる道具としても使われたとみられる。蓋裏と高台内に「左十五」の刻銘がある。
管理
- 名称:金銅大合子 甲
- 倉番:南倉 27
- 用途:仏具
- 技法:金工
- 寸法:径17.5 高29.0 重5019
- 材質・技法 :銅鋳造 鍍金
出展歴
- 名称:金銅大合子 甲
- 1940年 - 帝室博物館、皇紀2600年記念正倉院御物特別展
- 1954年 - 第8回
- 1972年 - 第25回
- 1983年 - 第35回
- 2003年 - 第55回
- 2022年 - 第74回
参考文献
- 奈良国立博物館(2022)『正倉院展 第74回』仏教美術協会
黄銅合子 ― 2023年06月11日 23:21
黄銅合子(おうどうのごうす,Lidded Brass Bowl with Pagoda-shaped Knob)は正倉院に収蔵されている五重相輪形の鈕をつけた塔形の合子である。
概要
仏前で香を入れる金属製の容器である。
由来
構成
塔型の鈕(つまみ)と球形の胴部をもち、末広がりの脚をもつ。
材料
鈕の装飾性に優れ、相輪の間の柱(刹)にガラス玉を嵌めている。鈕と蓋、身と台脚は座金と鋲を駆使して接合する。黄銅製で銅75%、亜鉛25%、鉛5%の組成である。
類例
アショカ王時代のインド(紀元前三世紀)に類例がある。塔鋺形合子と呼ばれる。
展示歴
- 1954年 - 第8回
- 1959年 - 正倉院宝物展(東京国立博物館)
- 1967年 - 第20回
- 1973年 – 第26回
- 1986年 - 第39回
- 2006年 - 第58回
- 2019年 - 正倉院の世界―皇室がまもり伝えた美―(東京国立博物館)
管理
- 名称 :黄銅合子
- 倉番 :南倉 30
- 用途 :仏具
- 技法 :金工
- 寸法 :径8.5cm,高15.9cm,重406.1g
- 材質:黄銅鋳造 相輪・座金は黄銅・銀 ガラス玉象嵌
参考文献
- 「[年次報告](1986) 第8号,pp.51-52
赤銅合子 ― 2023年06月11日 23:23
赤銅合子(しゃくどうのごうす,Lided Copper Bowl with Pagoda-Shaped Knob)は、正倉院に保存されている合子である。
概要
合子はふた付きの小さい容器を意味する。第一号は宝瓶形の鈕をつける。古様の卵形の形状である。鈕は金銅製、他はほぼ純銅で赤褐色を呈し、今日でいう赤銅とは異なる。鍛造のあと轆轤挽きで仕上げる。第三号は七重の相輪形の鈕をつけて塔形とする。胴部は横に膨らんだ球形とする。台脚は末広がりである。座金の一部には銀を用い、つまみの部分に黄銅を用いるが。他はほぼ純銅である。鈕と蓋、身と台脚は座金と鋲を駆使して接合する。香を入れる容器として用いた。
管理
第一号
- 名称:赤銅合子 第一号
- 倉番:南倉 29
- 用途:仏具
- 技法:金工
- 寸法:径7.3 高11.5 重310.3
- 材質・技法 :銅鍛造 紐は金銅 座金は金銅・錫
第三号
- 名称:赤銅合子 第三号
- 倉番:南倉 29
- 用途:仏具
- 技法:金工
- 寸法:径8.8 高15.0 重310.4
- 材質・技法 :銅製 相輪・座金は金・銀
出展歴
第一号
- 1940年 - 帝室博物館、皇紀2600年記念正倉院御物特別展
- 1979年 - 第32回
- 1991年 - 第43回
- 2011年 - 第63回
第三号
- 1961年 - 第32回
- 1970年 - 第23回
- 1983年 - 第35回
- 2006年 - 第58回
- 2014年 - 日本国宝展(東京国立博物館)
- 2019年 - 正倉院の世界―皇室がまもり伝えた美―(東京国立博物館)
参考文献
- 奈良国立博物館(2008)『正倉院展60回の歩み』奈良国立博物館
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