池子遺跡群 ― 2024年05月03日 11:14
池子遺跡群(いけごいせきぐん)は神奈川県逗子市にあるから弥生時代から近代までの複合遺跡である。
概要
三浦半島の付け根に位置し、逗子湾に注ぐ田越川支流の池子川が開析した谷戸開口部にある。弥生時代の河跡から土器・石器のほか、地下水に浸かっていたために保存された多種多様な木製品・骨角製品が見つかった。木製農具・機織り具・骨角製漁労具などの様々な生活道具、シカ・イノシシなどの動物やカツオ・カジキ・サメ・タイなどの魚の骨、サメや鯨の歯を加工したペンダント、大型蛤刃石斧、扁平片刃石斧、鹿や猪の骨を利用した卜骨、祭祀具(陽物品)が出土した。 弥生時代の生活がよく分かる資料である。
調査
旧池子弾薬庫跡地は1937年(昭和12年)に旧日本帝国海軍の弾薬庫として接収され、戦後はアメリカ軍への提供用となった。1996年(平成8年)4月に池子米海軍家族住宅として使用されるようになったが、住宅建設事業んの前に、1989年(平成元年)から1994年(平成6年)にかけて、神奈川県立埋蔵文化財センターと財団法人かながわ考古学財団が発掘調査を行った。出土遺物は先土器時代から近代までの長期に渡り、1999年(平成11年)3月、整理箱で4,000箱の出土遺物が池子遺跡群資料館および旧弾薬庫内に保管された。弥生時代の河道跡から大量の農具などの木製品が見つかった。
考察
遺構(弥生中期)
- 河川
- 水田1
- しがらみ1
遺物
- 弥生土器 食事用具
- 高坏
- 鉢
- 椀
- ひしゃく状製品
- 狩猟具
- 弓
- 石器 磨製石斧、磨製石剣、環状石錘
- 牙製品(腕輪)
- 木製品
- 丸棒状製品
- 櫂状製品
- 有頭製品
- 剣形製品
- 把手状製品
- 有頭棒状製品
- 有頭方柱状製品
- 農耕具
- 鋤
- 鍬
- 横槌
- 竪杵
- 広鍬握り・広鍬
- 横鍬
- 組合式鋤柄
- 機織具
- 緯打具
- 布巻具
- 経巻具
- 綜絖
- 紡錘車
- 卜骨
- 骨角製品
- 漁労具 ヤス、銛頭、釣針、回転式離頭銛、釣針、銛
- シカの角や骨、
- イノシシの牙
- 装身具 垂飾 かんざし
- Y形柄
- 腕(足)飾
- 編物
- かご
- 網代
- 簗状製品
指定
- 2002年(平成14年)2月12日 -神奈川県指定重要文化財指定
展示
- 池子遺跡群資料館
アクセス
- 名 称:池子遺跡群
- 所在地:〒249-0003 神奈川県逗子市池子 Hisagi St, 1丁目
- 交 通:
参考文献
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