宮地嶽古墳 ― 2025年08月19日 01:23
宮地嶽古墳(あづまこふん)は、福岡県福津市にある古墳時代の円墳である。
概要
福岡市の北北西25lmにある古墳時代末期の古墳である。 規模で全国第2位巨大石室がある古墳である。 7世紀前半につくられた直径約30mの円墳である。横穴式石室の長さは23mで全国で2番目に長い。副葬品は国宝に指定された馬具、太刀、ガラス玉馬具、刀装具、緑に輝く瑠璃玉、ガラス板などである。日本の終末期古墳ではもっとも豪華な副葬品といわれ、「地下の正倉院」とも称される。石室内部への立ち入りは通常は閉鎖されている。金銅製壷鐙は保存状態が良好で純金で彫金された鐙である。袋状をなし、長方形の吊り金具が取り付けられた忍冬紋様が施される。
調査
規模
- 形状 円墳
- 規模 推定径35m
遺構
遺物
- 金銅製頭推太刀柄頭
- 骨臓器
- 銅鋺及び銅盤
- 金銅製鞍橋覆輪金具
- 宝 冠
- 緑瑠璃丸玉
- 緑瑠璃板
- 金銅製鏡板付轡
- 金銅製壷鐙
- 金銅製龍文透彫冠
- 鉛ガラス製玉
- 頭椎大刀把頭2
- 金銅装壺鐙
- 金銅装鞍金具
- 鏡板
- 杏葉
- 杯
- 蓋
- 高杯
- 平瓶
- 銅椀
- 銅盤
- 鉛ガラス板
- 骨蔵器
指定
- 平成17年3月2日 国指定史跡
展示
- 九州国立博物館
- 東京国立博物館
アクセス
- 名称:宮地嶽古墳
- 所在地: 福津市宮司元町7-1
- 交 通: JR福間駅から西鉄バス「宮地嶽神社前」バス停まで5分、徒歩すぐ
参考文献
スタンプ形石器 ― 2025年08月19日 13:30
スタンプ形石器(すたんぷがたせっき)は自然の礫石を三角形またはT字形に成形し、その両端側線を抉って持ちやすくし底面を平らにした石器である。
概要
楕円形の河原石の半分を打ち欠き、平坦面を作り出した石器もスタンプ形石器である。縄文時代早期の撚糸文期に特徴的な石器とされる。ラグビ-ボ-ル状や棒状の楕円形の礫を半分に打ち欠いて、手に持ちやすいように両側縁に簡単な剥離を加えて調整したものである。底面の平坦部が機能面(打撃面)となる。面形状は楕円の場合が多いが長方形もある。三角錐型石器は三角錐の形であり、側面3面のうち1面は必ず自然面が残るため区別される。堂ヶ谷戸遺跡のスタンプ形石器の素材は砂岩である。
用途
食料などを叩いたり潰したりする石器と想定される。片手で握って使用されたと推測され、底面が摩滅していることから、敲石や磨石と同様の調理道具と考えられている
名称由来
印章のスタンプに似ているため、名がついた。 昭和31年、考古学者の芹沢長介が「岡本君の提案によってスタンプ形石器として」と語ったと小田静夫(1983)が紹介する。凡字形石器とも言われる。
用途
平らな面を用い木の実や食料等を潰す用途に使ったと推測されている。
出土例
- スタンプ形石器 - 萩山遺跡、埼玉県熊谷市千代、縄文時代早期、
- スタンプ形石器 - 堂ヶ谷戸遺跡、東京都世田谷区、縄文時代 早期
- スタンプ形石器 - 上神明遺跡、東京都世田谷区、縄文時代 早期
- スタンプ形石器 - 新潟県長岡市中潟町出土、縄文時代(早期)、東京国立博物館
- スタンプ形石器 - 東京都国分寺市西元町・多喜窪出土、縄文時代(早期)、東京国立博物館
考察
なぜ縄文時代早期の時代だけでスタンプ形石器が使用されたかは謎である。磨石など同様の用途の石器が普及したためではなかろうか。スタンプ形石器は作り方が簡単であり、もろかったとか、使いにくかったとかの要因がありそうだ。
参考文献
- 小田静夫(1983)『縄文文化の研究 (道具と技術)』7、雄山閣出版
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