野原古墳 ― 2026年05月16日 00:16
野原古墳(のはらこふん)は、埼玉県熊谷市に所在した前方後円墳であるが、現在は採土工事により墳丘の大部分が失われ、消滅している。
概要
荒川右岸の江南台地南東部の標高52mの丘陵斜面に所在する。野原古墳群23基中で唯一の前方後円墳である。1962年に採土工事に伴い、埼玉県教育委員会によって調査された。本古墳は、前方部を南南東に向けて築造されており、総長約37m(復元総長42m)、総長は周囲の堀や堤(濠)を含めた全体の長さである。現状では墳丘崩落土が裾部に堆積しているため、実測上の墳長は約40mを測るが、本来の復元墳長は約35mと推定されている。後円部径16m(復元19m)、前方部長さ約16m(復元19m)、前方部幅20m、前方部高さ2.5mと計測されている。
後円部と前方部の双方に横穴式石室が構築されている点に特徴がある。1962年(昭和37年)には、埼玉県教育委員会により発掘調査が行われ、後円部右側斜面では、長さ4.8m(玄室3.1m・羨道1.7m)、幅2.1mの右片袖型横穴式石室が確認されている。前方部中央斜面では、古墳主軸と平行する胴張形両袖式横穴式石室(長3.8m、幅2.0m)が確認されている。葺石は見られない。
横穴式石室や埴輪形式から、6世紀後半頃に築造されたと推定されている。
出土した「踊る埴輪」は、両手を挙げて踊る姿を表現した人物埴輪として著名である。1930年(昭和5年)に、本古墳から、畑の開墾中に発見された。現在は、東京国立博物館に収蔵されている。一般には「踊る埴輪」として知られるが、考古学的には馬飼(うまかい)を表現した人物埴輪とする説が有力である。
室内からは直刀・刀子・鉄鏃・銅製鍍金耳環・メノウ製勾玉・ガラス丸玉1点・土玉1点・琥珀製棗玉1点・鉄環などが出土した。墳丘から人物埴輪、馬形埴輪、大刀形埴輪、朝顔形円筒埴輪(Ⅴ式)が出土した。
2022年(令和4年)に、隣接の八幡神社境内に踊る埴輪の石像が建てられている。地元の野原自治会や市教育委員会の有志からなる「踊る埴輪の里親会」が、古墳と埴輪出土の歴史を次世代へ伝えるために建立したものである。
遺物
- 人物埴輪
- 直刀
- 刀子
指定
展示
アクセス等
- 名称 :野原古墳
- 所在地 :埼玉県熊谷市野原66
- 交 通 :JR高崎線熊谷駅南口から、国際十王交通15分「立正大学」下車徒歩10分
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